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学長トピックス 2008年9月号

本学平成19年度財務諸表が9月10日付で承認される

本年6月27日に文部科学大臣あてに提出した平成19年度国立大学法人愛知教育大学の財務諸表が、鈴木恒夫文部科学大臣により9月10日付で承認されました。これによれば、本学の資産合計は、約485億円で、そのうち有形固定資産が96%を占めています。資本金のうち、政府出資資本金が約437億円です。また、損益計算書によれば、経常費用は78.4億円、そのうち総人件費が61.3億円で、78.1%です。経常収益は、81.4億円で、当期純利益は2.98億円です。経常収益のうち、運営費交付金が51.3億円(63%)、授業料等収益が25.1億円(31%)です。当期総利益3.7億円のうち3.6億円を、教育研究環境整備等積立金として、文部科学大臣に申請中です。

また、財務諸表には、国民の税金による国立大学に対する負担分の目安として、「業務実施コスト計算書」がありますが、これによれば業務費用として51.8億円、機会費用等を加えた業務実施コストの総額は、62.0億円となります。

この財務諸表は、本学ホームページの「大学紹介」→「情報公開 : 独立行政法人等情報公開法第22条に規定する情報」→「財務に関する情報:財務諸表」→ 「平成19年度財務諸表(PDF)」に掲載していますのでご覧ください。

タイ王国ラジャパット・ラジャナガリン大学から副学長等9人が本学を訪問(9月16日)、またタイ王国県教育長一行76人も訪問(9月18日)

9月16日に、ラジャパット・ラジャナガリン大学准教授T.Tipayamahing博士ら総数9人で、本学を訪問され、高等教育及び教員養成に関する日タイ両国の情報交換等を行った。本学は、ラジャパット大学(チェンライ、スラタニ、ラジャナガリン、ウタラディットなど9大学)との間で学術交流協定及び留学生交換実施計画を締結しています。本学からも多くの学生がラジャパット大学に留学したり、相手先からも研修教員を受け入れたり留学生を多数受け入れてきています。先日も、夏休みを利用したラジャパット・スラタニ大学に1カ月短期留学した、本学学生が帰国の報告をしてくれました。

また、9月18日には、石田博幸本学名誉教授を介して、タイ教育省上級顧問チョオチャート・スパマック氏を団長とした県教育長一行76人の教育視察団の方々が本学を訪問された。タイでは、義務教育の拡充とともに、中・高・大での学生の急増とあいまって、様々な教育問題が起きているようです。視察団の皆さんに対し、「日本の教育制度と教員養成」と題し、40分間、パワーポイントによる講演を行いました。

ラジャパット・ラジャナガリン大学 副学長等との情報交換 【ラジャパット・ラジャナガリン大学 副学長等との情報交換】 県教育長代表と握手をする学長 【県教育長代表と握手をする学長】

B.H.J.McKellar教授を迎えて、学術講演会を開催

9月24日に、オーストラリア・メルボルン大学名誉教授のB.H.J.マッケラー教授を迎えて、「オーストラリアの高等教育と教員養成」と題し、質疑の時間を含めて1時間15分の講演会を開催しました。氏の専門は、素粒子論でIUPAP(純粋及び応用物理学の国際組織)の副議長ですが、今回、本学が教員養成大学ということから、表記の講演をお願いしました。氏とは、私が25年前にメルボルン大学に文部省の長期在外研究で、滞在し共同研究を行った時からの知人です。

講演の中で、氏は、1988年のオーストラリアに起こった高等教育の改革、すなわちすべてのカレッジと科学技術専門学校が、大学に昇格、あるいは大学と合併したこと、また1996年には、大学の助成金が自動的に増額されていたシステムが変更になったことの二つが、過去20年の大きな変化と指摘されました。そして、1988年以降は、それまでの教育内容や研究についてゆっくり考える時間的余裕がなくなり、報告書の作成や助成金の申請に時間を割くことや授業時間の増加が生じたこと、そして公的教育支出がこの間GDP比で、4.7%に低下したことを憂慮しているとのことであった。高等教育の目標について、多くは、我が国の中教審が期待していることとおおむね重なっている面が多いが、我が国と大きく異なる点は、オーストラリアでは大学院学生数が全体の27%に及んでいること、また、海外からの留学生も27%の27万人超に及んでいることであろうか。全体の学生数は103万人ですオーストラリアでは、学部専攻別に授業料が決まっていて、医学部や法学部では約8千豪ドル、一番安い教育学部や看護学部の学生は「国家的優先分野」として、もっとも低い約4千豪ドル、また授業料の支援を含め公立の高等機関で学ぶ国内学生の95%が在学中に補助金の支給を受けているなど、我が国とは大きく異なる点です。

また、教員養成制度については、その多様化が進んでおり、4年間の教育学士課程(教員養成学部)、3年間の他の学位取得課程に加えて1年間の教育ディプロマ課程あるいは2年間の修士課程、4-5年間の複合学士課程などがある。1999年度統計によれば、性別では女性教員の占める割合は、小学校で85%、高校で60%となっており、小から高へ男性教員の割合が増えていくのは我が国と同じ傾向にある。オーストラリアでも教員の高齢化が問題で、一方で、多くの教員が専門外の教科を教えなければならないという問題も浮上しているとのこと。約10%の大学生が教員資格を取る現状で、教員の定着率を上げるための給与の改善などが課題だそうです。また、オーストラリアでは、18-22週の実習を小学校教員を目指す学士課程学生に課しており、我が国の実習期間より相当長期にわたっています。また、数学と理科の教員を増やすための、特別な政策も国を挙げて取り組んでいるとのこと。また、この分野の専攻学生に対しては、2009年1月から、もっとも授業料の低い「国家的優先分野」額に減額され、新入生から適用されるとのお話でした。今後のオーストラリアへの取り組みを見ると、我が国と共通の様々な問題を抱えながら、その解決に向けて、より積極的に事態の改善に取り組もうとしている点が、我が国と異なる点として、理解できました。

講師を紹介する松田学長 【講師を紹介する松田学長】 講演中のB.H.J.マッケラー教授 【講演中のB.H.J.マッケラー教授】