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学長トピックス 2009年8月号

教員免許状更新講習が始まりました

入学式の告示を載せて以来、久々の学長室だよりです。この間、個人的事情も加え、いろいろなことがあり、しばらく中断していたことになります。そういう中で、「学長室だより、読んでますよ。最近更新されていませんね。どうしたんですか?」という問いかけを何人の方から頂きました。この「便り」を読んでくれている方がいるというだけで、妙に元気づけられました。ありがとうございます。また再開しますので、よろしくお願いします。学長としての日常のあれこれを記していこうと思います。

今は夏休みです。今年は、梅雨明けがずいぶん遅く、8月にはいった4日が梅雨明け宣言でした。そのせいか、まだ蒸し暑い日が続いていますが、残暑お見舞い申し上げます。最近、新型インフルエンザの流行宣言もあり、本学でもクラブ活動を中心に何人かの学生の皆さんがインフルエンザにかかりました(本学ホームページをご覧ください)。この秋から冬にかけて、特に大学では10月の教育実習、また冬のセンター試験や入学試験がどうなるのか、対策等を早急に立てねばなりません。
本学も、学生の皆さんは8月5日から9月30日まで夏季休業に入っています。8月から夏休みに入るのは3年目です。それまでは、大体7月10日から9月10日まで夏休みでした。しかし、大学の単位が、通年4単位制から半期2単位制(講義の場合)に変わってから、夏休みまでに前期を終えることが課題となっていました。本学でも、講義棟にエアコンが設置されたので、今のような形態になりました。

教員免許更新制度がこの4月から始まり、幼稚園から高校まで、一部の先生を除き、学校の先生は、10年ごとに、大学等がおこなう「免許状更新講習」を有料で2年間のうちに30時間受講(6時間がユニット)し試験に合格しなければ教員を継続することができなくなりました。愛教大でも、8月3日からこの免許状更新講習が始まりました。一部の日にちを除き、8月28日まで行われ、大学は教員も職員も大忙しです。昔は、夏休みに教員は国際会議への出席、集中しての研究など、比較的この次期は時間が自由になったのですが、今はそういうわけに行かなくなりました。研究費を確保するための競争的資金獲得のための書類作成など、開講中にはできない仕事がいっぱいあります。更新講習開講中は、駐車場への誘導など職員の人たちは、この暑さの中汗だくで大変です。

更新講習受付と更新講習の風景その1 更新講習受付と更新講習の風景その2

【更新講習受付と更新講習の風景】

本学では、必修12時間分として1,500人、選択18時間分として4,500人を用意したのですが、申し込みは、前者が1,000人強、後者が2,700人強に留まりました。愛知県全体では、7,000人の先生が今年度対象になるといわれていたので、若干受講者の少なさが気になるところです。この更新講習を行う大学の多くで予定者数を下回っている傾向があるようです。

本格講習が始まる前の7月4日には、名古屋駅前の名城大学名駅サテライトを会場に、「理科教員免許更新講習を考える」と題して、「科学リテラシーを身に付けた良い理科教師を養成するには」を副題に、愛知教育大学、名城大学、愛知淑徳大学の更新講習に対応するセンター主催でシンポジウムが開かれました。文部科学省から更新講習を担当している初中局教職員課課長補佐の山田泰造氏、名古屋大学の中嶋哲彦教授、 NPO法人「知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん」理事長の坂東昌子愛知大名誉教授、新潟大学の小林昭三名誉教授、それに本学から市橋正一教授の5人の講師から報告をしていただき、最後に名城大学の川勝博教授を加えた6人のパネルディスカッションが行われました。詳しい報告は、シンポをお世話いただいた名城大学総合数理教育センターでまとめられることになっています。

先日、東京に行く機会があり、そこで八重洲ブックセンターのギャラリーで開催(8月19日-24日)されている写真家仲田千穂さんの「特攻花写真展2009」を見る機会がありました。仲田さんは、19歳の時,当時在籍していた短大で、この花のことを知り、それから毎年この花の咲く喜界島を訪れて写真を撮ってきたそうです。彼女の写真集「特攻花」(ポプラ社2009年刊)には「九州と沖縄の中間に位置する喜界島は、出撃の中継地点となっていた。・・・夜明け前に出撃する若い隊員たちに、地元の娘たちは野の花を贈った。・・・その花の種が風に舞い、今も、喜界島の飛行場脇に毎年咲き続けている。」とあります。私は、19歳の仲田さんが、平和を願う花として、「特攻花」(テンニンギク:キク科テンニンギク属)を撮りたい、と思いそれを実行し、これまで8年間撮り続けていることに感動しました。写真展では、特攻で生き残った方へのインタビューなどを通じて平和の大切さを訴えています。彼女は、「私は人の心に花を咲かせたい。平和を願う花を。」という言葉で結んでいます。本学の憲章には、「平和で豊かな世界の実現に寄与する人間の教育を行う」ことを教育目標として謳っています。私は、この展覧会を見て、若い人々に「平和を願う心」が受け継がれているのに強い感銘を受け、ここで紹介しました。

個人的なことになりますが、この7月の初め、12年と3カ月、「がん」と闘ってきた最愛の妻を亡くしました。「お別れの会」では多くの方々に、参加していただきなき妻を偲んでいただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。覚悟していたとはいえ、仕事を終え,家に帰ると妻とのあれこれがつい浮かんできます。「再発したがんは、今の人智ではどうにもならないけど、戦争で人が死んだりするのは、人智でなくすことができる。未来には、がんも人智で克服できるだろうが、今人智で制御できるのに、戦争や暴力で人を殺めたりすることは許してはならない。」というのが、彼女の口癖でした。本学は、主題科目の「平和と人権」という授業を通して、平和の尊さを伝えています。私は、大学院の6年間を広島の地で送りました。夏が来ると、毎年広島・長崎で開催される平和式典や原水爆禁止世界大会を思い出します。この2月には、オバマアメリカ合衆国大統領が、歴史に残るであろうプラハ演説で、核兵器廃絶への訴えを行いました。歴史が、大きくこの方向へ転換し、核廃絶が実現することを願っています。これは、「人智」でできることなのですから。

2009年8月20日