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学長トピックス2010年6月号(その2)

南スウェーデンの大学街ルンドを訪ねて(5月20-23日)

  5月20日夕方6時過ぎにコペンハーゲン空港に到着し、そのままルンド行きの電車乗り場まで行きました。到着ロビーから階段を下りると、6時36分発マルメ、ルンド経由のランドスクローナ行きが来ましたので、切符は車内で買えばいいと思い、切符を持たずに乗りました。電車は、KASTRUP駅(コペンハーゲン空港駅)からÖresund橋を渡り、30分ちょっとでスウェーデン第三の都市マルメ中央駅に到着します。マルメからルンドまでは10分足らずです。通常料金は、137スウェーデンクローナ(1500円)ですが、検札に来た車掌から切符を買ったところ、380クローナくらい取られましたので、どうも無賃乗車の疑いありで罰金込みの料金を取られたようです。実際僕自身料金を知らず、後で友達に聞いたら「罰金込みだよ。普通150クローナくらいだよ」と言われたので、罰金つき当りくじを引いたような気分でした。切符が買えなかったことを説明すればよかったのですが・・・・。それにも増して、11年ぶりに訪れるルンドに心が躍っていました。 駅には、友達のT.Schmelingさん(数学科教授)が、息子のAlexander君と一緒に駅に迎えに来てくれていました。久しぶりに見るルンド駅の正面(東側)は昔と同じ雰囲気でしたが、西側には新しく店ができるなどずいぶん様相が変わっていました。車で市内を走っていると、徐々に記憶が蘇ってきます。2年間住んでいたので、それなりに覚えていると思ったのですが、記憶というのは曖昧なものです。線や面では記憶していなくて、点でしか残っていないことを知りました。記憶というものは、再度実際に歩いたり走ったりして、それぞれの点が線でつながり、面として広がっていくようです。先日まではコートを着て歩かなくてはいけないくらい寒く、とりわけこの年の冬は、1月から3月まで雪が残り、大変な寒さだったようです。それが打って変って、日中は薄着でも十分なくらい天気が良くなってきたそうで、帰国する23日まで暖かルンド大学数理物理の建物く、気持ちの良い気候でした。ここもマロニエやナナカマド、サクラの花が満開で、家々の庭にはチューリップやムスカリ、ユキヤナギなど日本では4月の初めに咲く花が満開でした。 
 21日(金曜日)は、昔お世話になったCecilia Jarlskog教授と再会し、昼食をとる約束だったので、LTH(Lund Techniska Högskola)の数理物理教室の建物を訪ねて行きました。僕がいた当時のメンバーは、Cecilia教授(もう2年前に退職し、建物内には特別の研究室を確保して、彼女の先生であったG. Källen先生の本をまとめている最中でした)以外に3人のスタッフがまだ在職中で、そのうちの2人とは言葉を交わすことができました。後は、すべて知らない若い方に入れ替わっていました。彼女にTatyanaさんを交えて、3人で中央図書館の地下の食堂で3時間ばかり思い出話に花を咲かせました。

22日は、ルンド大学の4年に一度の大学祭のパレードの日です。1時半に、図書館の前で、Håkan Lundström教授と奥さんの和代さん(この方もルンド大学のスタッフで、日本語の先生です)と会いました。Lundström教授は、民族教育がご専門で、音楽教育の大家でもあります。日本にも毎年来られ、音楽教室で講演していただいたこともあります。お2人に案内され、大学の部局長などが見学できるLundström教授夫妻(両側)とSchmeling教授と特別席にご一緒しました。そこは、この日のために作られたもので、テントの中では、大学の部局長や歴代の学長などがワインや軽いスナックを手に談笑していました。Håkan教授から、学長のPer Eriksson教授や、副学長のSven Strömqvist教授、LTH教授で国際担当のPer Warfvinge教授らを紹介していただき懇談しました。また、お隣のマルメ市にあるマルメ大学のLennart Olausson学長とも懇談する機会がありました。教員養成は、このマルメ大学で行っており、7000人の学生がいてスウェーデンで2番目の規模だそうです。さて、当日のパレードですが、先頭は校友会(自治会)の学生たちです。学長選考の際も彼らの意向が相当反映するそうで、学長自身熱心に彼らのパレードに拍手を送っていました。スウェーデンの大学では、学生の大学運営への参加が大きく認められており、教授選考にも加わっているとかで、日本のシステムとはだいぶ違うようです。「4年しかいないのに」と考えるのではなく「4年もいるのだから」という発想に基づくというのは、少しは日本の学生にも真似てほしい点です。なんでも、4年に1回のカーニバルに向けて1年も前から準備するそうで、噂ではカーニバルの年だけは、留年する人が増えるのだそうですが、真偽のほどは不明です。

さて、僕がパレードを観ていた限りでは、あまり政治的なスローガンは無かったようです。パレードは学科のもあればサークルのもありで、教員の人たちもたくさん加わっているようでした。道路には、ものすごい人があふれ、近隣の町をも巻き込んだお祭りのようで、多くの市民が見物しています。パレードの後には、ビール缶やワインの瓶があちこちにありました。これは世界共通の風景のようです。全部で、20チーム(1チーム100-200人くらい)位が参加していました。このパレードは、2時間弱で終わりましたが、これとは別に、学生たちが様々な催しを企画しているゾーンがあり、入場料は有料。また、その中の大テントでの催しがまた有料(100クローナくらい)で、これもきっとカーニバルの後の学生のコンパ代になるのでしょうか?ショーなどには結構有名なグループも参加しているようでしたが、そういうのに疎い僕にはよくわかりませんでした。この日の夕食は、Lundström教授の自宅にお邪魔しパレードの一コマ、ルンド大学の日本人スタッフの何人の方もお集まりになり、夜遅くまで、奥様の散らし寿司やおいしいサラダなどお腹いっぱいご馳走になり、スウェーデンの大学のこと、日本の様子、様々な話題で夜遅くまで話は尽きませんでした。 翌日は帰国の日です。飛行機は10時半発なので、7時半のルンド駅発の電車に乗ったのですが、10分後にマルメ中央駅に到着して、アナウンスがあり、「この列車はここでキャンセルになりました」というのです。「次のコペンハーゲン行きは1時間後、それが動く保障はない」というので結構あわてました。同じ車両に乗り合わせた2人のデンマークの方と急遽タクシーで行くことにして事なきを得ましたが、こういうハプニングは、旅行にはつきものです。2人の方は、デンマークのVigårg市の代表の方で、ルンド市と姉妹市で市長を訪問し、大学のパレードを見学し帰るところということでした。様々な人との出会いがあるものです。また、空港では、荷物を預けるとき、スーツケースが20kgを越えており、その超過分を機内持ち込みのかばんに移して、かっちり20kgにしたところで受け付けてもらいました。全重量は不変なので、バックに移すことにどれだけの意味があるのかよくわかりませんし(きっと飛行機のバランスなのでしょうか?航空会社の方に一度うかがってみたい疑問です)、体重の大小に関係なく、一律20kgというのも解せない話ですが・・・・。10数年前にも、一時帰国のため出国する時コペンハーゲンの空港で引っ掛かって、その時は機内持ち込みに移すこともできず、オーバーチャージを払うのを避けるため、空港内の一時預かり所に1週間荷物を預けたことを思い出しました。この厳しさは変わっていないように感じました。 フランクフルト空港で、愛教大からの同行の2人―2人は、協定校であるイギリスのNewmann Collegeを訪問していました―と再び一緒になり、帰国の途につき、日本には24日の朝8時過ぎに到着、今回の訪問を無事終えることができました。