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平成28年度卒業式にて学長告辞を行いました。

2017年3月23日(木)

本日,晴れて,卒業ならびに修了の日を迎えた,学部927名,大学院131名,特別専攻科 30名,計1,088名の皆さん,おめでとうございます。また,ご臨席いただいております,ご家族の皆様に,心よりお祝いを申し上げます。

さて,学部の卒業を迎える皆さん。4年間の大学生活はいかがだったでしょうか? 勉学に励み,部活動やサークル活動,ボランティア活動,アルバイトなどに参加して,「学生である」ことを満喫したことと思います。4月からは,「大学生」の看板を下ろし,一社会人として,学校や行政機関,企業等で大いに活躍されることを期待しています。

大学院ならびに特別専攻科を修了される皆さん。1年間,あるいは2年余りの学びはいかがだったでしょうか? 大学を卒業した後に,新たな目的をもって進学した皆さんですから,これからに生かすことのできる確かな学びを得たことと思います。4月からは,大学院や特別専攻科での専門的な学びを生かし,高度な専門職業人として,ますます活躍されることを期待しています。

今年3月に,厚生労働省から,最新の生命表が公表されました。データの源は,平成27年ですので,今の皆さんの状況は2年前の年齢,20歳で見ることになります。それによると,大学4年生の余命は,男性は平均61年余り,女性は平均67年余りという結果です。

「今後,10年から20年程度で,約47%の仕事は自動化される」と言われていますので,皆さんの未来には,確実に,人工知能との共存という生活が到来します。これからの60年以上をどう生きるのか,どんな人生を歩むのか,時間はたっぷりあります。本日の卒業を新たなスタートとして,夢をもって進んで下さい。

ところで,この数年,実に様々な出来事がありました。制度面では,消費税8%の導入,マイナンバーの開始,18歳の選挙権の施行などが挙げられます。喜ばしい話では,富士山や富岡製糸場が,世界文化遺産になり,北海道新幹線が開通して日本列島が新幹線のレールでつながりました。哀しい話では,御嶽山の噴火,関東・東北の豪雨,昨年4月の熊本地震などで多くの命が失われました。先日,東海大学では,阿蘇キャンパスで亡くなった4年生3名に,学位記が授与されています。たくさんの事件・事故によって,様々な喜・怒・哀・楽が刻まれています。中でも,私は「放射能いじめ」に心を痛めています。

本人の意志とは無関係に,放射線を浴びた可能性を有する子どもたちには,未だ解明されていない,将来へのリスクがあります。それでも,避難して頑張っている子どもたちをいじめてしまう,そんな文化に残念さと寂しさを感じます。

放射線のことを知らず,うつると思っていた...,という理由では済まされません。痛みをもった人や弱いと思える人を助けるのではなく,いじめの対象にしてしまう子どもたちの気持ちには何があるのでしょうか?

最近,人混みの中で,誰かにぶつかっても,無言で通り過ぎる人が増えていると感じます。せめて,「スイマセン」と言ってほしいし,できれば,「ごめんなさい」,「大丈夫ですか」と,相手を気遣う言葉をかけてほしいと思います。

未来社会がどんなに機械化されても,人は誰かとともに生きる存在です。ステージ正面には,愛知教育大学のシンボルマークである,カキツバタの花が掲げられています。作者は,本日,ご来賓として,ご登壇いただいています,美術教育の名誉教授であり,同窓会会長の 竹原 裕先生です。

中央の3枚の花びらは,「学生」と,「教員」と,「事務職員」を表し,三者の融合を表しています。皆さんの大学生活は,この3枚の花びらのように,仲間たちや,先生たちや,事務の人たちに支えられてきたと思います。これから進む「実社会」においても同じです。
協力し合う人たちとの関係が重要です。本学のシンボルマークを胸に刻み,支え合い,和み合う関係作りを心がけてほしいと思います。

今後,様々な場にロボットが導入され,人間には,操作技術やプログラム能力が求められるようになります。しかしながら,どんなに科学が進歩しようとも,安全で,安心できる社会が必要であり,そんな社会を作るのは,皆さん一人ひとりの生き方であると思います。

昨年12月に解散したスマップの人気ナンバーワンの曲は,「世界に一つだけの花」です。皆さんが,よく知っている通り,この歌詞には,次のような言葉があります。「僕ら人間は,どうして,こうも比べたがる? 一人一人違うのに,その中で,一番になりたがる?」「僕らは,世界に一つだけの花」「小さい花や大きな花。一つとして同じものはないから。ナンバーワンにならなくてもいい。もともと特別なオンリーワン」

是非,自分らしい,特別な人生を歩んで下さい。そして,「放射能いじめ」のような行いを戒め,人にぶつかったときには「ごめんなさい」と言える,温かな人になって下さい。

皆さんが入学して以来,構内の風景は少し変わりました。学生寮の改修が管理棟を含めて完了し,全学の耐震工事も完了しました。教育未来館が新設され,1階にはキャリア支援センターが配置されました。情報処理センター棟の改修によって,教育交流館ができ,その周囲は,AUEスクエアという開放的な広場になりました。今年10月には,図書館の改修が完了し,再来年には第一人文棟の改修も完了する予定です。

少しずつ変わる景色の中で,今年も,まもなく,大学構内の桜が満開になります。どこにいても,桜の花を見たとき,大学構内の,美しい桜の道を思い出してほしいと思います。

愛知教育大学は,これからも,大人として,教師として,専門職として,「子どもたちの未来を拓くことのできる」人を育てる大学として,社会に貢献していきます。

皆さんが,「知を愛し・教え・育てる」,本学での学びを礎に,健康で,大いに活躍されることを心から願い,告辞と致します。

平成29年3月23日
愛知教育大学
学長 後藤ひとみ

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