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2015年3月23日 2015年3月 卒業式にて学長告辞を行いました。

2015年3月23日(月)

卒業式の様子1卒業式の様子1

本日,晴れて,卒業ならびに修了の日を迎えた,学部949名,特別専攻科27名,大学院126名,計1,102名の皆さん,「おめでとうございます」また,ご臨席いただいております,ご家族の皆様に,心よりお祝いを申し上げます。

さて,学部の卒業を迎える皆さん。4年間の大学生活はいかがだったでしょうか。

勉学に励み,部活動やサークル活動,ボランティア活動,アルバイトなどに参加して,「学生である」ことを満喫したことと思います。4月からは,「大学生」の看板を下ろし,一社会人として,学校や行政機関,企業等で大いに活躍されることを期待しています。

ところで,学部の皆さんが入学した,4年前の3月11日には,東日本大震災が発生し,大学入学を果たせずに消えた命もありました。私は,時々,2年前に訪れた仙台を思い出します。駅周辺の復旧状況はめざましく,その技術とスピードに「さすが日本である」と,感激しました。

その一方で,津波被害の大きかった海沿いの地区は,草むらとなり,人々の生活を知ることはできませんでした。しかし,タクシーのカーナビには,たくさんの住居や建物が並んでおり,震災前に暮らしていた人々の痕跡が残されていました。科学が進歩し,グローバル化が叫ばれる現代にあっても,自然との共存は,人類にとって大きな課題であることを痛感しています。

告辞を行う後藤学長告辞を行う後藤学長

人生には,突発的な出来事が,良くも悪くも起こります。そこで生かされるのは,「よく考えて,適切に対処する力」です。大学での学びを生かし,揺るぎない道を歩まれるよう願っています。

大学院ならびに特別専攻科を修了される皆さん。1年間,あるいは2年間の学びはいかがだったでしょうか。

大学卒業後に,新たな目的をもって進学した皆さんですから,充実した日々を過ごしたことと思います。最近「学び続ける」という言葉が,よく使われます。この言葉には二つの意味があります。

一つ目は,人は誰でも,生涯にわたって学び続けることができるという意味です。

二つ目は,専門的な職業に就いた人は,学び続ける努力をして,専門性を維持しなければならないという意味です。大学院や特別専攻科でスキルアップを果たした皆さん。本学での体験を糧として,これからも,是非,学び続ける人であってほしいと思います。

ここで,卒業ならびに修了する1,102名の皆さんに,心に刻んでほしい,「100ccの水」について話したいと思います。これは,養護教諭養成課程の皆さんには,授業で話したことがありますし,入学式でも取り上げましたので,特別専攻科の皆さんも,覚えているかもしれません。

では,皆さん。これから話すことをよく聞いて,情景を思い浮かべて下さい。

「あなたは,暑い・暑い,灼熱の砂漠を歩いています。水はなく,喉はカラカラに渇いています。苦しい…と思いながら,遠くを見ると,1軒の家がありました。蜃気楼ではありません。何とか辿り着いて,ドアを叩くと,中から人が出てきました。早速,『喉が渇いてたまりません。お水をいただけませんか』と,お願いしたところ,その人は,コップに半分入った水をくれました」

卒業式の様子2卒業式の様子2

では,質問です。コップに半分入った水を見たとき,喉がカラカラに渇いているあなたは,どう思いますか?

選択肢は二つです。「半分しかもらえなかった」と思いますか?それとも「半分ももらえた」と思いますか?

もう一度聞きます。「半分しかもらえなかった」と思いますか?それとも「半分ももらえた」と思いますか?

この質問に正解はありません。心理テストでもありません。「半分ももらえた」と言ったほうが,良い人のようだと考える人もいますが,そういう意味の問いでもありません。コップ一杯が200ccだとすると,半分の水は100ccということになります。ここで大事なことは,100ccという同じ量の水にもかかわらず,コップ一杯の200ccを基準にすれば,100ccの水は半分しかないことになり,空のコップを基準にすれば,100ccの水は半分もあると捉えられるということです。

今,水を例にしましたが,これは,数や量に限ることではありません。我々の社会には,病気のある人,障がいのある人,異なる文化の国で育った人など,様々な人が暮らしています。社会に出るということは,いろいろな経験を通して,いろいろな人に出会うことを意味します。

大学院生と共に訪れた中学校のことです。そこには,心を病み,問題行動を起こす子どもたちが学んでいました。しかし,授業風景はとても穏やかで,子どもたちには笑顔が見られ,落ち着いた気持ちで学んでいることがわかりました。通常の学校や学級では,手のかかる子と思われ,よく注意を受けたであろう子どもたちも,同じような状態の仲間の中では,特に変わった存在ではありませんでした。様々な出来事は,見る人の「基準」や「価値観」によって変わります。どうか,100ccの水のことを心に刻み,多様な見方,考え方のできる人になって下さい。

今年も,卒業生・修了生の皆さんの旅立ちを祝うかのように,大学構内の桜が芽吹き始めました。「さくら」の語源には,「咲く」という言葉の後に,複数という意味の「ら」が付けられたという説があります。

卒業式の様子3卒業式の様子3

「咲く・ら」の美しさは,一つの花だけでは生まれません。小さな花がたくさん集まってこそ,その美しさは最大のものとなります。また,桜の花言葉には,「心の美しさ」「精神の美」が上げられます。この言葉には,見た目の背景にある,内面の美しさについて考えさせられます。まもなく構内の桜は満開となります。どこにいても,桜の花を見たとき,愛知教育大学で学び,桜の道を歩いたことを思い出して下さい。そして,本日,この講堂に,卒業・修了を祝う人がたくさん集まっているように,人の成長や成功を喜び,祝福できる,「心の美しい」人になってほしいと思います。

新年度からは,同窓生が集い,母校の発展について語り合う,「ホーム・カミングデー」を行おうと思っています。また,大学院での修学を行いやすくする工夫も考えています。「是非,また,会いましょう」4月から新たな一歩を踏む出す皆さんが,「知を愛し・教え・育てる」,愛知教育大学での学びを礎(いしずえ)にして,桜に負けない,美しい心の人として活躍されることを,心より願って,告辞といたします。

2015年3月23日
愛知教育大学
学長 後藤ひとみ

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