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平成28年度入学式にて学長告示を行いました。

2016年4月4日(月)

新入生の皆さん,入学おめでとうございます。愛知教育大学の教員,事務職員,在学生を代表して,1,126名の皆さんを心から歓迎致します。また,ご臨席いただいております,ご家族の皆様に,心よりお祝いを申し上げます。

愛知教育大学は,教員養成を主軸とした,全国屈指の大学です。明治6年(1873年)の愛知養成学校から数えて,140年以上の歴史を有しています。

歴史ある本学には,いくつかの特色があります。

その1つは,キャンパスが緑に恵まれているということです。本日は,先週から咲き始めた桜が満開となり,皆さんの新たな門出を祝って,美しい情景を見せています。

昨今,機械化や電子化,合理化が進み,無人で動いたり,ロボットが活躍したりする場面を見るようになりました。そういう時代だからこそ,自然の恵みに感謝し,いのちの大切さを知ることのできる,豊かな感性が必要なのだと思っています。

春・夏・秋・冬を通して変化する,木々や草花を見つめながら,皆さんの感性を,より一層深めてほしいと思います。

2つ目の特色は,幼稚園教諭から大学教員まで,子どもたちの発達に応じた,プロフェッショナルな教員養成を行うことのできる,「教育の総合大学」だということです。

私たちの未来,日本の未来は,これから育つ子どもたちに委ねられています。どんな子どもたちを育てるのかという,「人づくり」や「人育て」は,今後の社会を左右する大きなテーマです。

一昨年のことです。真夏に開催したオープンキャンパスで,講話を終えた私に,2人の男子高校生が近づいてきました。笑顔の彼らは,自分たちの「尊敬する人」が,本学の出身であると教えてくれました。「尊敬する人!」という,ストレートな言い方がとても新鮮に感じられ,何の教科の先生かとたずねました。すると,授業を教えられたのではなく,自分たちの行動に対して素晴らしい指導をしてくださったと言うのです。

人の生き方に影響を与え,かつ,尊敬されるという経験は,誰もがもてるものではありません。しかしながら,そんな出逢いが少しでも増えるよう,貢献できればと思います。

そこで,愛知教育大学は,皆さんに,「子どもたちの未来を拓く人」になってほしいと思っています。

それは,子どもたちの可能性に気づき,その能力を広げる人になることです。また,子どもたちの日常に気を配り,より良い環境をつくる人になることです。そのためには,様々な体験を通して,自分で感じ,考え,納得するという,「学びのプロセス」が重要になります。

ところで,皆さんは,高畑勲さんが監督した「おもひでぽろぽろ」というアニメ映画を見たことがありますか? 見たことのある人は,手を挙げて下さい。

主人公は,岡島タエ子さん。27歳のOLです。休暇を利用して,田舎に行き,農業を手伝う中で,小さいときから,色々なことにこだわりをもっていた自分を振り返ります。

小学校5年生の回想シーンで,タエ子さんは,分数の割り算ができず,母親に叱られます。成績の良い,お姉さんは,「分数の割り算なんて,ひっくり返して,かけりゃいいのよ。」と言います。しかし,タエ子さんは,「3分の2のリンゴを,4分の1で割るなんて,全然,意味がわかんない」と,嘆きます。

皆さんは,分数の割り算は,お姉さんが言うように,ひっくり返して掛けることを知っていると思います。では,「3分の2のリンゴを4分の1で割るって,どういうこと?」という,タエ子さんの疑問には,どう応えますか? 「余計なことは考えなくていいから,計算しなさい。」と言いますか?

以前,授業の中で,学生たちに,疑問を抱く,タエ子さんの気持ちがわかるかと聞いたことがあります。結果,「わかる」と答えた人は40名中1人のみでした。

このシーンに出てくる,お姉さんとタエ子さんの姿は,これから,大学で学ぶ皆さんの姿に重なります。

お姉さんが言うように,物事には法則があり,それを守れば正しい結果に辿り着くことができます。数学に限らず,それぞれの分野には様々な法則があります。是非,たくさんの法則を学び,生かす手法を身につけて下さい。

その一方で,タエ子さんのようなこだわりも大切です。大学や大学院で学ぶということは,形だけ,表面だけの「暗記」や「覚え込み」を重ねることではありません。なぜ,そうなるのかという「疑問」を持ち,「探究」すること,「発見」することが重要です。

そして,何よりも,私たちの生活にどうかかわるのかという,「生活感」のある学習,「生きた」学習を深めてほしいと思います。

大学では,この2年間に,構内の学習環境を少し改善しました。授業では,学校や企業や海外での体験的な活動を増やしていきます。学部では4年間,大学院や専攻科では3年間,2年間,1年間となりますが,授業のみならず,部活動やサークル活動,ボランティア,アルバイトなど,様々な場面で,積極的に学んでほしいと思います。

巷では,悲しい事件や事故が後を絶ちません。しかし,自然災害を除けば,その多くは,私たちの注意不足や,自己中心的な振る舞いによって引き起こされています。人とのかかわり,自然とのかかわりの中で感性をみがき,他人の痛みがわかる人になってほしいと思います。

皆さんが,心身共に健康で,有意義な学生生活を送られることを願い,私からの告辞とします。

平成28年4月4日
愛知教育大学
学長 後藤ひとみ

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