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平成29年度卒業式にて学長告辞を行いました。

2018年3月23日(金)

本日,晴れて,卒業ならびに修了の日を迎えた,学部 913名,大学院 127名,特別専攻科 30名,計 1,070名 の皆さん,「おめでとうございます。」
また,ご臨席いただいております,ご家族の皆様に,心よりお祝いを申し上げます。

さて,学部の卒業を迎えた皆さん。4年間の大学生活はいかがだったでしょうか?
皆さんが入学した2014年4月。私も新米学長として就任し,共に新たなスタートラインに立ちました。そして,入学式では,大学生活にむけた2つの提案をしました。覚えているでしょうか?

第一は,自分の気持ちを伝える言葉を選び,お互いのコミュニケーションを確かなものにするということでした。具体例として,日本語には「スイマセン」という便利な言葉があるけれど,「ありがとう」,「ごめんなさい」,「失礼しました」などを使い,その場の気持ちを素直に伝えられる人になってほしいと話しました。

第二は,世の中の出来事に興味をもち,多様な価値観を身に付けるという提案をしました。具体例として,灼熱の砂漠を歩き続け,喉がカラカラに乾いている時に,あなたに渡されたコップに,半分(100cc)の水が入っていたとしたら,どう思うかを聞きました。コップに,半分「も」くれたと思うか,半分「しか」くれなかったと思うか,と聞きました。これは,心理テストでも,正解のある問いでもありません。
100ccという量は,コップに何もない状態を基準にすれば,半分「も」あるという評価になり,コップが一杯になっている状態を基準にすれば,半分「しか」ないという評価になります。
様々な現象は,基準をどこに置くかで見方が変わるということです。そこで,大学では,たくさんの人と出会い,様々な経験を重ねて,自分なりの見方や価値観を身に付けてほしいと話しました。

さて,いかがでしょう。
「スイマセン」ではなく,「ありがとう」や「ごめんなさい」という言葉に,あなたの気持ちを乗せているでしょうか? 自分なりの価値観で物事を見ることができているでしょうか? 今一度,勉学に励み,部活動やサークル活動,ボランティア活動,アルバイトなどに参加して,「学生である」ことを満喫したであろう4年間を振り返り,4月からは,一社会人として,大いに活躍してほしいと思います。

大学院ならびに特別専攻科を修了される皆さん。1年間,あるいは2年余りの学びはいかがだったでしょうか? 大学を卒業した後に,更なる目的をもって進学した皆さんですから,これからに生かすことのできる確かな学びを得たことと思います。4月からは,大学院や特別専攻科での専門的な学びを生かし,高度な専門職業人として,ますます活躍していただきたいと思います。

ところで,この数年も実に様々な出来事がありました。消費税8%の導入,マイナンバー制度の利用開始,18歳選挙権の施行,北陸新幹線や北海道新幹線の開業など,これらは私たちの日々の生活に影響を与えてきました。また,人工知能の導入により,製造業やサービス業では自動化が進んでいます。今は,働き過ぎの状態を改善しようとしている「働き方改革」ですが,今後は,人工知能と共存する働き方に取り組むことになりそうです。

昨年6月に出された,河合雅司(かわいまさし)さんの『未来の年表・・・人口減少日本でこれから起きること』がベストセラーになっています。年表の一部をひろってみます。
2020年。2年後には,女性の半数が50歳以上になる。
2024年。6年後には,国民の3人に1人が65歳以上になる。
2033年。15年後には,住宅の三戸に一戸が空き家になる。
2042年。24年後には,高齢者人口がピークになる・・・。
これらは,「人口」による未来予測は,かなり正確にできるということで,政府のデータや推計値を用いて日本の先行きを展望したものです。

さて,高齢者人口がピークとなる2042年。皆さんは何歳になり,どこで,何をしているのでしょうか? 教師であれば,若き校長になっているかもしれません。会社員であれば,リニア新幹線で東京へ通勤しているかもしれません。
今後,少子高齢化,国際化,科学技術の進歩,新たな経済政策などが,加速して進みます。国は,『人生百年時代構想会議』を立ち上げ,「一億総活躍社会の本丸は,人づくりである。子どもたちの誰もが,経済事情にかかわらず,夢にむかって頑張ることができる社会や,いくつになっても学び直しができ,新しいチャレンジができる社会を構想する」としています。
生命表によると,今,22歳である人の平均余命は,男性で約61年,女性で約67年です。これからの60年余り。皆さんは,様々な出来事に遭遇すると思います。そこには,河合さんが推計した人口動態という未来とは別に,予測できない状況があるかもしれません。そんな時,皆さんを支える言葉は何でしょうか? 私からは,『初志貫徹』という言葉を贈りたいと思います。「思い立ったときの最初の気持ちを忘れずに,志をもって,やり通す」ということです。自分の志を忘れずに,自分なりの『未来の年表』を描いて,人生を謳歌して下さい。

これまでの大学生活は,家族や,仲間たちや,先生たちや,事務の人たちに支えられてきたと思います。これから進む「実社会」においても,互いが支え合い,助け合う関係が重要です。どんなに科学が進歩しようとも,台風や洪水,地震など,自然の猛威を防ぐ手立てはありません。だからこそ,安全で,安心できる社会は,皆さん一人ひとりの生き方やお互いのかかわりの中から作り出す必要があります。

今年も,まもなく,構内の桜が満開となります。変わらない自然の風景が見られる一方で,大学の施設環境は徐々に変わっています。教育未来館が新設され,情報処理センター棟の改修によって,教育交流館ができ,その周囲は,AUEスクエアという開放的な広場になりました。昨年10月には,図書館の改修が完了し,今年5月には,古かった合宿所が新設のセミナーハウスに変わり,今年の夏からは第一人文棟の改修が始まります。
来年は,140年以上の歴史をもつ本学が,師範学校から教員養成の大学になって70年を迎えます。創立70周年には,是非,ご参加下さい。

愛知教育大学は,これからも,大人として,教師として,専門職として,「子どもたちの未来を拓くことのできる」人を育てる大学として,社会に貢献していきます。

皆さんが,「知を愛し・教え・育てる」,本学での学びを礎に,健康で,大いに活躍されることを心から願い,告辞と致します。

平成30年3月23日
愛知教育大学
学長 後藤ひとみ

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