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平成30年度卒業式・修了式にて学長告辞を行いました。

2019年3月22日(金)

本日,晴れて,卒業ならびに修了の日を迎えた,学部 886名,大学院 153名,特別専攻科 31名,計 1,070名 の皆さん,「おめでとうございます。」
また,ご臨席いただいております,ご家族の皆様に,心よりお祝いを申し上げます。

さて,学部の卒業を迎えた皆さん。4年間の大学生活はいかがだったでしょうか?
皆さんの入学式は,2015年4月6日に行いました。新しいスーツ姿で,少し緊張気味であった皆さんに,私は,二つの話しをしました。

一つ目は,「みる」ということについてです。「大学での学びは授業だけではない。部活動やサークル活動,ボランティア,アルバイトなど,様々な学びの場面がある。その学びの中心は,人とのかかわりである。だから,家族や友人,子どもたちの状況を,ただ,立って,目で,「見る」のではなく,心身の健康状態を気づかって観察したり,その状態の根拠となる情報を把握したり,時には,手をさしのべて触れてみたりして,「みる」ことを意識した深いかかわりをしてほしい」と話しました。

二つ目は,「きく」ということについてです。「「きく」にも,みると同様に,複数の漢字がある。よく使われる,「話を聞く」の聞(ぶん)の字や,「音楽を聴く」の聴(ちょう)の字は,受け身の状態の「きく」である。「きく」には,「たずねる」という意味の訊(じん)の字がある。そこで,相手からの情報を受け取るだけではなく,自分から相手にたずねる意味の「きく」を忘れずに,何事にも関心をもってたずねて,知識を深め,豊かな人間関係を築いてほしいと話しました。

さて,皆さんには,多面的に「みる」力はついたでしょうか?
自分から主体的に「きく」力はついたでしょうか?
今一度,勉学に励み,部活動やサークル活動,ボランティア活動,アルバイトなどに参加して,「学生である」ことを満喫した4年間を振り返ってほしいと思います。

さて,大学院ならびに特別専攻科を修了される皆さん。1年間,あるいは2年余りの学びはいかがだったでしょうか?
大学を卒業した後に,更なる目的をもって進学した皆さんですから,これからに生かすことのできる確かな学びを得たことと思います。4月からは,大学院や特別専攻科での専門的な学びを生かし,高度な専門職業人として,ますます活躍されることを願っています。

ところで,まもなく「平成」が幕を閉じます。元年早々に導入された消費税は3%から5%,8%,そして10%になろうとしており,過ぎた時間の長さを感じます。
この間,阪神淡路大震災をはじめとした自然災害に加えて,地下鉄サリン事件のような重大事件が発生し,近隣諸国との国際交流も微妙な状況になりつつあります。

来年からは,「2020年教育改革」が進み,新学習指導要領によって,学校教育が変わり,新共通テストによって,大学入試が変わります。このような変化によって,子どもたちの学びは,知識や技能の活用から,自分で考え,表現し,判断し,実社会で役立てることへと変わります。少子高齢化,国際化,科学技術の進歩,新たな経済政策などに対応した「一億総活躍社会」の到来です。

また,10年後には,高齢化と労働力不足による「2030年問題」が生じ,20年後には,社会保障制度の破綻や町の消失が懸念される「2040年問題」も指摘されています。

日本の高齢者人口がピークとなる2042年。
皆さんは何歳になり,どこで,何をしているのでしょうか?
教師であれば,若き校長になっているかもしれません。会社員であれば,リニア新幹線で東京へ毎朝通勤しているかもしれません。皆さんの未来には人工知能との共存という世界があります。
すでに,検索エンジン,オペレーション・サポート,ロボット,自動運転への導入が進んでおり,近未来には,医療においても膨大なデータや知見の提供によって人工知能による正確な診断がなされると言われています。

しかしながら,どんなに科学が進歩しようとも,台風や洪水,地震など,自然の猛威を防ぐ手立てはありません。だからこそ,安全で,安心できる社会が必要であり,そんな社会を作るのは,皆さん一人ひとりの生き方であり,他者を思う心であると思います。

厚生労働省が,毎年行っている調査によると,現在22歳である人の平均余命(へいきん・よみょう)は,男性で約60年,女性で約66年です。そのうちから10年前後を引いた年数が,介護されずに健康に生活できる年数,いわゆる「健康寿命」となります。皆さんには,健康で過ごせる50年以上の時間があるということです。
アメリカ合衆国の16代大統領であったリンカーンは,「意志あるところに道は開ける」と言っています。是非,夢を持ち,変化する状況に負けず,時間をかけて,自分なりの人生を歩んでほしいと思います。

たくさんの可能性をもっている皆さんに,ある言葉を紹介します。
「人生は紙飛行機,願い,乗せて,飛んで行くよ。」
「その距離を競うより,どう飛んだか,どこを飛んだのか,それが一番大切なんだ。」
これは,AKB48が歌っている,「365日の紙飛行機」の中の言葉です。
成果を急ぐことはありません。でも,どう飛んだのか,そのプロセスに自信をもてるよう,意志をもって挑戦してほしいと思います。

今年も,まもなく,構内の桜が満開となります。変わらない自然の風景が見られる一方で,大学の施設環境は徐々に変化しています。学部の皆さんが2年生になる時,教育交流館とAUEスクエアができました。翌年には図書館改修が済み,昨年5月には,旧・合宿所をなくして,授業にも使える,AUEセミナーハウスを新設しました。今後,夏までには第一人文棟の改修が完了し,現在工事中のボイラー棟も「イノベーションホール」に変わり,国際教育棟の改修にも着手します。
今年は,140年以上の歴史をもつ本学が,師範学校から教員養成の大学になって70年を迎えます。11月には創立70周年記念祝賀会を開催します。是非,新しくなった大学にも来て下さい。

愛知教育大学は,これからも,「子どもたちの未来を拓くことのできる」大人を,教師を,専門職を,育てて行きます。

皆さんが,「知を愛し・教え・育てる」,本学での学びを礎(いしずえ)に,健康で,大いに活躍されることを心から願い,告辞と致します。

平成31年3月22日
愛知教育大学
学長 後藤ひとみ

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