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平成31年度入学式にて学長告示を行いました。

2019年4月4日(木)

新入生の皆さん,入学おめでとうございます。
愛知教育大学の教員,事務職員,在学生を代表して,1,075名の皆さんを心から歓迎致します。また,ご臨席いただいております,ご家族の皆様に,心よりお祝いを申し上げます。

愛知教育大学は,教員養成を主軸とした,全国屈指の大学です。明治6年(1873年)の愛知養成学校から数えて,140年以上の歴史を有しています。また,師範学校から愛知学芸大学になって70年,愛知教育大学に改称して53年が経ち,この地に移転してからは49年が経ちました。

歴史ある本学には,いくつかの特色があります。

第一の特色は,学部では,幼稚園教諭から大学教員まで,子どもたちの発達に応じた,プロフェッショナルな教員の養成を行う,「教育の総合的な大学」だということです。

言うまでもなく,私たちの未来,日本の未来は,これから育つ子どもたちに委(ゆだ)ねられています。よって,どんな子どもたちを育てていくかという,「人づくり」や「人育て」は,今後の日本社会を左右する大きな課題だと言えます。
そこで,愛知教育大学は,2017年4月に学部を改組し,教養豊かな人を育ててきた「現代学芸課程」を,教員養成の機能を生かす「教育支援専門職養成課程」にしました。
卒業を迎える,4年後。教員養成課程の皆さんには,子どもたちの未来を拓く「優れた教師」になってほしいと思います。
教育支援専門職養成課程の皆さんには,教育の素養を身につけて,子どもたちの生活背景に目配りし,心の面から,福祉の面から,教育行政の面から,学校や教師の活動をサポートする「優れた専門職」になってほしいと思います。

1年後に特別専攻科を修了する皆さんや,2年あるいは3年後に大学院を修了する皆さんには,専門的知見と教育の素養を生かした高度な専門職として,学校をはじめとした様々な場で活躍してほしいと思います。

第二の特色は,キャンパスの風景が緑の木々と融和していることです。今年は,幸いなことに満開の桜が,皆さんの門出にふさわしい,美しい情景を見せてくれています。

機械化や電子化,合理化が進み,冷暖房完備の環境が当たり前のことと思いがちな昨今です。だからこそ,春・夏・秋・冬に合わせて変化し,四季を感じることのできる緑豊かなキャンパスは,本学が自慢できる学習環境だと思っています。
皆さんの感性が,このキャンパスで,より一層みがかれ,深まることを願っています。

ところで,キャンパスの施設設備というハード面について言えば,私が学長に就任して以降の5年間で,教育未来館の新設,美術棟の改修,教育交流館の開設,AUEスクエアの整備,馬術部厩舎(きゅうしゃ)の改修,図書館の改修,AUEセミナーハウスの新設などを行ってきました。また,連休明けには,第一人文棟の改修が完了し,夏までには,講堂の隣で工事中のイノベーションホールの改修も完了予定です。
この他にも,今年で3年生までが揃う教育支援専門職養成課程のために,演習室や実習室の整備を行いますし,学部の皆さんが4年生になる時には,数学や理科の講座が入っている自然科学棟の改修も完了予定です。
このように,教育研究の環境を整備してきた背景には,少子・高齢化が進む日本の未来を見据えて,子どもたちの意欲や能力を拓くことのできる,心豊かな「教師」と「専門職」を育てたいという思いがあります。

来年からは,「2020年教育改革」が進み,子どもたちは,新しい内容の教科書で学び,大学センター入試も新共通テストに変わります。
10年後には,高齢化と労働力不足による「2030年問題」が生じ,20年後には,社会保障制度の破綻や町の消失が懸念される「2040年問題」も指摘されています。

少子・高齢化や労働人口の減少などに対応して,国は,第4次産業革命と呼ばれる動きを加速しています。この改革は,「Society 5.0」時代の到来を意味しています。
Society 5.0とは,狩猟社会,農耕社会,工業社会,情報社会に続く,テクノロジーを活用した新たな社会づくりを目指すものです。
すでに,ドローン,検索エンジン,オペレーション・サポート,自動走行車,遠隔操作ロボットなどの導入が進み,様々なテクノロジーによって,私たちの生活は,より豊かなものに変貌しつつあります。

しかし,どんなに科学が進歩しようとも,台風や洪水,地震など,自然の猛威を防ぐ手立てはありません。だからこそ,安全で,安心できる社会が必要であり,そんな社会を作るのは,皆さん一人ひとりの生き方であり,他者を思う心だと思います。

昨年の流行語大賞に輝いた言葉は,「そだね~」でした。私の故郷(ふるさと)である北海道で時々使われる言葉です。このとき,上位にランクされた言葉の中に,「ボーっと生きてんじゃねえ!」がありました。
NHKの「チコちゃんに叱られる」という番組で,よく出てくる言葉です。
「ボーっと生きてんじゃねえ!」は,少々乱暴な言い方なのですが,日常の出来事に興味を持たず,「なぜ」と問われてもわかっていない,そんな大人たちに,5歳のチコちゃんが浴びせる言葉です。
ある日の放送で,「大人になると,あっという間に一年が過ぎるのはなぜ?」という問いが出されました。私も1年は本当に早いと感じています。
この理由には諸説あるようですが,印象に残る出来事があり,様々な感情が生まれ,生活の中にトキメキやワクワクがあると,長く感じるという説明がなされていました。

19歳になる皆さんの平均余命(よみょう)は,厚生労働省の最新データによると,男子で約65年,女子で約71年です。これからの大学4年間は,平均余命の5~6%程度でしかありません。人生の中では,とても短い時間です。
しかし,何かを感じたり,何かを考えたりすることが多ければ,長い時間に感じられ,充実した時間に変わるということです。
是非,日常の出来事や周囲の出来事に興味を持ち,「なぜ」という問いに答えられるよう勉学を深めて下さい。

さて,「地平かに(ち・たいらかに),天(てん)成る」,「内平かに(うち・たいらかに),外(そと)成る」から引用され,「天地,内外ともに平和が達成される」という意味であった平成の時代は,3週間余りで幕を引きます。そして,「人々が美しく心を寄せ合う中で,文化が生まれ育つ」という意味の「令和(れいわ)」時代が始まります。
しかしながら,物事には,「不易」と「流行」があり,平成も令和も,私たちが永遠に変わることなく求める「不易」の姿だと言えます。
一方,Society 5.0が目指す,人工知能を活用した新しい時代は「流行」の姿だと言えます。時代とともに変わる「流行」に対応しながらも,永久不変にかわらない自分の中の「不易」の価値観を見つける,そんな学生生活を送ってほしいと思います。

本学は,教職大学院を核として,「高度化」を主軸に,「実践力」の育成をはかり,「学び直し」の場を提供する,地域に貢献する大学を目指していきます。

学部生にあっては4年間,大学院生にあっては2年間または3年間,特別専攻科生にあっては1年間となる本学での学びが,少しでも豊かなものとなり,卒業や修了の時には,「愛知教育大学で学べて良かった。楽しかった。充実していた。」と言ってもらえるよう,最大限のサポートをしていきたいと思います。

皆さんが,心身共に健康で,有意義な学生生活を送られることを願い,私からの告辞とします。

平成31年4月4日
愛知教育大学 学長 後藤ひとみ

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