在学生・修了生の声

在学生の声

臨床心理学コース 令和2年度入学 岩田 倫佳さん

愛知教育大学院に進学した理由を教えてください。

入学前に大学院説明会に参加し、愛知教育大学院が現場志向で実習に力を入れていることを知りました。そして、学内の相談室では不登校や学校不適応、発達障害に関わるケースに触れる機会が多いと聞きました。私は当時、学校現場の心理士に特に興味があったため、充実した教育臨床の実習に魅力を感じていました。心理士はクライエントが抱えている問題を多方面から理解することが求められます。そのためにはさまざまな機関と連携することが必要であり、教育臨床だけではなく、病院臨床や発達・福祉に関する知識も必要です。愛教大の学内には発達支援相談室もあり、発達や福祉に関する学びも得られます。愛知教育大学院を修了された先輩方には病院で働いている方もおり、教育・福祉・医療の全ての領域でより実践的な支援を学ぶことができると考え、進学を希望しました。

研究テーマについて教えてください。

私は、これまで困難な出来事を通じた肯定的な変容に関する研究に興味を持ってきました。修士論文では、より多くの人が経験する対人関係における傷つき体験に着目しています。ネガティブ感情の対処において、認知的感情制御(状況に対する考え方や解釈の変化を通じて、感情の変化が生じる現象)という視点に近年注目が高まっています。認知的感情制御の主な効果は、精神的健康の向上として示されていますが、自己成長感(困難な状況に対する取り組みの結果として得られる心理面の肯定的変化)の獲得にも関連することが実証的に示されています。また、自己成長感はソーシャルサポート(特定個人が、特定の時点で、彼/彼女と関係を有している他者から得ている、有形/無形の諸種の援助)と関連があることが指摘されており、ソーシャルサポートが高いほど自己成長感が高いことが明らかになっています。以上から、修士論文では、認知的感情制御がソーシャルサポートを通じて、自己成長感とどう関連するのかを検討しています。

学部と大学院とで大きく違うと感じることは何ですか。

学べる内容がより専門的になるということです。大学院では、学内相談室にてケースを担当するため、より深くクライエントさんと関わることができます。また、アルバイトや実習においても学部生の時に比べて専門的な機関や仕事に携わることができるため、現場に根ざした、より専門的な勉強ができます。

印象に残っている授業を1つ教えてください。またそれはなぜですか。

臨床心理実習(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)です。この授業では、学内の心理教育相談室の事例について、学生、教員が意見を出し合い検討することが行われます。自分が持っているケースについて、多様な観点から意見をいただくことで、自分にはなかった気付きが得られたり、ケースの振り返りをしたりすることができます。また、院の在籍期間に自分が担当できるケースには限度がありますが、この授業を通して多くの事例に触れることができます。加えて、院の仲間が事例にどのように取り組んでいるのかを知ることができるため、刺激を得る機会にもなります。ケース全体の見立てや方向性についても、先生方が丁寧にコメントをくださるため、とても勉強になります。

修了後は、どんなことにチャレンジしたいですか。(仕事やライフプラン、キャリアプランなど)

大学院での授業や実習を通して幅広い分野に興味を持ちましたが、まずは医療領域で経験を積む予定です。そして、約1年後には臨床心理士試験や公認心理師試験があります。そこでの資格取得を目指して、現場で経験を積みつつ試験対策にも力を入れたいです。大学院の2年間では多くのことを学びましたが、同時に知らないこと、知るべきことがたくさんあることにも気付きました。また、心理士の仕事は社会と密接に関わっており、社会の変化や自分の変化にも常に敏感であることが大切だと感じています。院を修了してからも、さまざまな分野で働く方と交流したり、学会等に参加したりして学び続けていきたいと考えています。

臨床心理学コース 令和3年度入学 山崎 双葉さん

愛知教育大学院に進学した理由を教えてください。

もともと愛知教育大学に通っていたため、慣れ親しんだ環境があることが一番の決め手でした。お世話になっていた先生方から、もっとたくさんのことを学びたいという気持ちも大きかったです。

研究テーマについて教えてください。

研究テーマは心理的に感じる「ゆとり」についてです。ゆとりという言葉を私たちは日常的に口にしますが、ゆとりという言葉が一体何を指しているのかは曖昧な状態にあります。ゆとりは日常場面での適応にも関わってくると考えられます。そこで私は、どんな時にゆとりを感じるのか、ゆとりの感じやすさには個人差があるのかといったことについて研究をすすめています。

学部と大学院とで大きく違うと感じることは何ですか。

学生の主体性です。たった二年しかない大学院ですので、自ら学びを深めようとする姿勢を皆持っています。そのためかなり忙しく凝縮された時間ですが、やりたいことを思う存分に深められるのでとても楽しい時間です。

印象に残っている授業を1つ教えてください。またそれはなぜですか。

事例検討を行う授業です。実際の心理面接について思いを巡らせることができ、自分の考え方の偏りに気づくことで新しい視点を獲得することができます。実際の事例を提供していただけることは貴重ですので、一回一回がとても勉強になります。

修了後は、どんなことにチャレンジしたいですか。(仕事やライフプラン、キャリアプランなど)

修了後には、様々な領域で心理職として仕事を経験してみたいと考えています。大学院で学ぶことと、実際に現場に出てから学ぶことは大きく異なると思います。どちらも経験してから、私自身がどこで専門性を磨いていくのか検討していきたいと考えています。

日本型教育グローバルコース 令和2年度入学 WANG XINYE(オウ シンヨウ)さん

愛知教育大学大学院に進学した理由を教えてください。

教育学が専攻できる大学をいろいろと検討しましたが、現在の指導教員との出会いのほか、愛知教育大学大学院であれば自分の興味や専門領域をより深めていける学習環境があるとことがわかり、まずは研究生として入学してから修士課程に進学することを決めました。

研究テーマを教えてください。

多文化教育の日中比較研究です。多文化教育について、母国であり多民族国家の中国と異文化を積極的に受入れる日本を対比してみると面白いのではないかと考えました。授業の進め方や具体的にどのような教育活動が行われているか、考え方の相違点などにも注目しながら研究を進めています。

印象に残っている授業を教えてください。

最も印象に残っている授業は、授業視察のため附属幼稚園や高校を訪問し、学校教育現場での取組みを直に学んだことです。

授業がない時間帯や休日はどのように過ごしていますか。

中国で暮らす家族とWeChatで話したり、同じ宿舎に住む他大学の留学生達と一緒に出かけたりしながら気分転換をするほか、アルバイトもしています。また、奨学財団主催のイベントに参加することも楽しみのひとつです。

愛知教育大学での留学生活について教えてください。

研究生として入学後は、チューター制度を利用しました。日本語教育を専攻する学部生チューターと週1回のペースで会い、コミュニケーションを深めることで、愛知教育大学での留学生活に馴染んでいきました。
大学院生になってからは、文献探しや論文を書くため、附属図書館を利用することが増えました。指導教員を含め周囲のサポートがあり、研究を順調に進めることができています。

日本型教育グローバルコース 令和2年度入学 WANG XINYE(オウ シンヨウ)さん

日本型教育グローバルコース 令和2年度入学 LE THI TRANG(レ ティ チャン)さん

愛知教育大学大学院に進学した理由を教えてください。

私がベトナムの大学に通っていた頃、国際交流活動のためベトナムの大学を訪問中のある日本人高校生に出会いました。当時、私は学部3年生でしたが、日本からやってきた若者が、将来の夢や自分の考えを堂々と話す姿がとても印象的でした。
この日の出会いをきっかけに、私自身も自分の軸をしっかり持って、自らの人生を切り開いていけるよう成長したいと思うようになり、大学卒業後は日本への留学を目指すようになりました。
また、若者のキャリア教育について研究できる日本の大学院を探していたところ、愛知教育大学大学院を知り、進学を決意しました。

愛知教育大学での留学生活について教えてください。

まずは、研究生として愛知教育大学に入学しました。日本人学生と共に授業を受けたり、大学院進学に向けて指導教員に研究の相談をしたりしながら、愛知教育大学での留学生活にも徐々に慣れていきました。
大学院進学後は、課題や研究のため一人で集中して取り組む時間が増えたことは、研究生の頃との大きな違いだと感じています。

授業がない時間帯や休日はどのように過ごしていますか。

運動や料理などをして、リラックスする時間を持つようにしています。またオンラインで学外のキャリアコンサルタント養成講座を受講することにもチャレンジしました。
飲食店でのアルバイトでは、世代の異なる日本人と一緒に働きながら交流も楽しんでいますし、ハローワークでのアルバイトでは、主にベトナム人の求職活動を支援しています。

日本型教育グローバルコースへの進学希望者にメッセージをください。

入学後は何も心配することがないくらい大学でのサポート体制が充実しています。その分、入学するまでにしっかりと日本語の勉強をしておくことをおすすめします。

日本型教育グローバルコース 令和2年度入学 LE THI TRANG(レ ティ チャン)さん

日本型教育グローバルコース 令和3年度入学 SITAULA BIBITA(シタウラ ビビタ)さん

愛知教育大学大学院に進学した理由を教えてください。

来日後に入学した大学の進路指導教員の勧めがあり、愛知教育大学について調べたところ留学生専用のコースがあることを知り、愛知教育大学大学院への進学を決めました。また、外国人教員が在籍しているため、いろんなことを相談しやすく心強いと感じたほか、多様な文化的背景を持つ留学生と共に学べる環境に魅力を感じました。

研究テーマやキャリアプランについて教えてください。

私の研究テーマは、ネパールでの教育現状と日本型教育普及の検討です。教職に就く兄姉などの影響もあり、私も次第に教育に関心を抱くようになりました。大学院修了後は日本での就職にも興味がありますが、いずれは母国であるネパールに帰国し、ネパールの教育をより良くする活動や仕事に就きたいと考えています。

愛知教育大学での留学生活について教えてください。

学部とは違い大学院では、主体的な活動や行動が求められると感じています。さまざまなことに対して興味・関心を拡げつつも、何を学びどのように研究を進めていくかを自己責任で決定していくため、しっかりしなくちゃいけないなと思っています。

日本型教育グローバルコースへの進学希望者にメッセージをください。

外国人留学生が対象のコースですが、日本人学生と共に学ぶ授業を選択することもできるため、さまざまなことを学べて面白いです。また、外国人留学生の受入れ体制が充実していて、国際交流活動も盛んです。安心した留学生活を過ごせる環境があるため、日本型教育グローバルコースへの入学をおすすめします。

日本型教育グローバルコース 令和3年度入学 SITAULA BIBITA(シタウラ ビビタ)さん

教育ガバナンスキャリアコース 令和3年度入学 尾潟 祐介さん(豊橋市役所 教育委員会 教育政策課)

私は自治体職員として本大学院に在籍しています。多文化、情報教育、地域協働など、教育行政を取り巻く環境は日々急速に変化しており、いずれも高度な専門性を求められる領域となっています。私は「地域とともにある学校づくり」いわゆるコミュニティ・スクールを自治体に導入したいと思い研究を行っていますが、コミュニティ・スクールに限らず、教育政策の立案は、自治体の各種計画や財務状況といった「自治体の視点」だけでなく、学校経営やカリキュラムといった「学校現場の視点」の理解が不可欠です。

教育ガバナンスキャリアコースでは自治体及び学校現場について、基礎から最新の状況を学ぶことができます。院生の方々も学校事務職員や教職員と多様な方が在籍しており、それぞれが相互補完しながら授業が展開されるため不安になることもありません。本大学院で身に付けたことを自治体に持ち帰り、実践するために頑張っています。 (令和3年度現在)

尾潟祐介 さん 豊橋市役所 教育委員会 教育政策課

教育ガバナンスキャリアコース 令和3年度入学 鈴木 美穂さん(豊田市役所 教育委員会 教育政策課)

私は、自治体からの派遣職員として、本大学院に入学しました。もともと教育や子ども関係の施策に興味があり、教育行政のスペシャリストを希望していました。より専門的な知識を身につけ、本市の教育行政に少しでも役立てれば...と思い、本大学院を志望しました。

大学院では複式学級をテーマに研究を進めたいと考えています。少子高齢化が進む中、子どもたちにとって本当に良い教育環境とは何なのかを明らかにしていきたいです。久しぶりの大学生活に当初はとまどうこともありましたが、新しい知識を吸収する時間がとても充実した日々になっています。授業では講義を聞くだけではなく、グループワークや発表、調査など、自ら調べ、学び、議論を行う時間が多いです。職種や年齢が異なる大学院の同期の皆さんと交流することで、多くの刺激をもらい、成長することができると思います。(令和3年度現在)

鈴木 美穂 さん 豊田市役所 教育委員会 教育政策課