海外への留学

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ボールステイト大学留学体験記-2015.5

所属 現代学芸課程・国際文化コース
留学先大学名(国) Ball State University(アメリカ)
留学先での専攻 English
留学期間 2014年8月~2015年5月(学部4年次に留学)
奨学金受給 有 (日本学生支援機構)

【留学先大学について】

学生数

約21000人

留学生数

600人以上

(留学生の主な国籍:サウジアラビア,中国)

(うち日本人留学生数:10人程度(他大学も含め交換留学生6人,学部生・院生4人))

学部

約180の学部がある。中でも,教育学部,ビジネス,テレコミュニケーション,建築学は有名。

大学の特徴

アメリカの大学の中では比較的小さいが,本学と比べると非常に大きい。アメフトの試合を行うアリーナや美術館,コンサートホール,トレーニングセンターなど各種施設が充実している。付属学校があるため,そこで実習・観察をしている学生も多数いる。

大学の立地

インディアナポリスという都市から車で2時間程度のマンシーという小さな町にある。空港からは車がないと不便。町全体が大学都市のため比較的安全で,勉強に集中して取り組める環境。

【授業について】

受講した授業科目

ENG321:英語の文法を統語論的に分析する。

ENG320:言語学のイントロダクション。

ENG220:英語をとりまく社会問題(方言,第二言語習得)の考察。

JAPA334:日本文化について(教授は日本人だが講義は英語で行われる。日本人学生として日本文化について話すことができる機会になる)。

ENG412:英語指導法,教授法。リーディングの指導法。

EDPS251:中等教育課程における教育心理学。

COMM210:スピーチの基本的理論と実践。

COMM290:異文化コミュニケーション学。

受講を薦める科目

COMM210というスピーチをするクラス。日本には存在しないが,アメリカの学生は必修。スピーキングを上達させたい人は,アメリカ人の前でスピーチをする経験ができる。どの専攻の学生でも受講できるクラス。

COMM290という異文化コミュニケーションのクラスは,アメリカの文化(低コンテクスト,個人主義など)についても学ぶことができ,カルチャーショックなど留学生にとっては,実体験があるのでディスカッションに参加しやすい内容。

履修方法

すべてオンラインで行う。アカデミックアドバイザーが一人一人について,相談しながら受講するクラスを選ぶことができる。ただし,人気のクラスはすでに席が埋まっていると受講できなかったり,下学年の授業を受講していないと上学年のクラスが受講できなかったり,制限がある場合も多いので,早めに受講したいクラスを決めておくことが必要。直接,教授にアポをとって受講したい旨を伝えると特別に許可してくれる場合もある。

外国語補講

勉強についてのアドバイス

日本の大学に比べると,現地で勉強しているアメリカ人学生にとっても,宿題・課題の量が非常に多いので,留学生は,効率よく早めに計画を立てて行うこと。わからないことは聞けば丁寧に教えてくれるので,積極的に先生に質問し,オフィスアワーなどを積極的に利用すること。

(教職希望の学生の場合)

ボールステイト大学の教育学部は有名で,教育学専攻の学生も多い。私が受講した英語教育学の授業では,課題のひとつとして,実際に現地の高校に行き,アメリカの高校生にリーディングの授業を行うこともあった。日本よりも大学生が柔軟に実習できる環境。付属学校があり,学生が実習などを行うことが授業で課せられることが多いので,アメリカの学校の様子を実際に見ることができる機会もあるかもしれない。

【留学前準備について】

準備期間

留学の4ヶ月前から準備  

準備内容

ボールステイト大学への入学申請書類の提出,ビザ申請,航空券の購入,海外留学保険の購入

留学先の情報収集方法

手続きや大学生活については基本的にすべてホームページに説明が記載してあるので,よく見ること。しかし,それを読んでもわからないことも多いので,必ず実際に留学に行った先輩の話を伺うこと。不安な点は,渡米前にメールでボールステイト大学の担当者に確認をとることも場合によっては必要。

語学準備

8ヶ月前から

学習方法:TOEFL(iBT)の勉強。79点以上で学部の授業を受講することができる。それを満たさない場合は,学部の受講許可はなく,外国語補修コース(IEI)を受講しなければならない。私の場合は,大学の授業を受けたいという思いがあったため,TOEFLの最低基準を満たすための勉強をした。スピーキングの学習は,本学の英語コミュニケーションの授業に出席したり,本学在学の留学生と会話をしたりした。

ビザ取得の有無

有(2週間程度)

ビザ申請時の注意事項

必要な書類が多いので,時間に余裕を持って準備すること。残高証明や成績証明書は英語で発行してもらわなければならないので,発行に時間がかかる場合があるので注意すること。ビザ面接は大阪が最も近い会場になる。

航空券

種類 往復(成田―シカゴーインディアナポリス) 値段 30万円

行きの航空券は,お盆の時期に重なり,非常に値上がりするので,ボールステイト大学のスケジュールを自分で調べて早めに予約してしまったほうがよい。大学からの連絡を待っていると入手困難になりかねない。私の場合は,名古屋発のフライトは満席で,東京まで新幹線を使うことになった。

日本から持参した方がよいもの

浴衣,日本のお菓子,折り紙,日本のポストカードまたはレターセットなど。日本文化を紹介するイベントがたくさんある。交換留学生として日本文化を発信していくためにあると面白いもの。

留学前にあると良かった情報

交換留学生の履修は基本的に,その授業が必修かどうか,また,自分の専攻かどうかに関係なく受講できるが,上記のとおり,制限があり,なんでも受講できるとは限らない。IEI(英語コース)の場合は,現地でプレイスメントテストを受講してから授業が決まるが,学部の授業を受講する場合は,あらかじめどんな授業を受講したいか考えて,たくさんリストアップしておくこと。

【留学先について】

都市(街)の名前

マンシー

規模・雰囲気

アメリカの中では小規模だが,本学と比べると非常に大きい。

気候

冬は札幌と同じくらいの気温。マイナス10℃くらいまで気温が下がるが,内陸なので大雪になることはない。急に雷雨になったり,寒暖の差が激しくなったりするので,体調管理には気をつけたい。

治安

大学内にいれば,非常に安全。ただし,キャンパスのまわりの夜の一人歩きは避けた方が良い。

【日常生活について】

滞在先

滞在形態

部屋の種類

共同(同居者は留学生(台湾人))

家賃

月額 12万円程度(支払いは半期で4600ドルくらい)

滞在先での問題

寮は長期休暇の間も滞在できると書いてあるが,その場合,追加料金を支払わなければならない。日割りは不可なので,長期休暇の間に1日でも滞在すれば,休暇中すべての日数の追加料金を支払うことになる。

医療(日本から持参した方がいい薬,健康管理の注意点,利用病院名,費用など)

生協にも必要な薬は売っているので手に入らないものはないが,日本での慣れた薬を使いたい方は持参した方が良い。ポカリスウェットのようなものはあまり売っていないので,ポカリスウェットの粉末を持ってきていた日本人もいた。 急な雷雨があったり,寒暖の差が激しかったりするので,常に体調管理には気をつけたい。私は,うがい薬を持っていき,手洗い,うがいは毎日行った。大学付属の大きい総合病院がキャンパスにあるが,軽い病気なら学内のヘルスセンターで受診できる。

食事(学食・外食の値段など)

寮費にはミールプランという学食が含まれたものを購入することになっているが,ミールプランは一回につき約8ドルまで生協で好きなものを購入して食べることができるという制度。女性であれば,週10回(一日2食,土日なし)というものがおすすめ。土日は外食したり,日本食をアメリカ人の友達に振る舞ったりすることも多い。男性もしくはたくさん食べたい方であれば,週14食(土日も含め一日2食)がおすすめ。週14回より多いものは必要ないと思う。 外食は大学の近くにvillageという飲食店街があり,そこをよく利用することになると思う。バーガーはだいたい15ドル程度。ピザは日本の半額以下で安い。ビュッフェ形式のお店は,安くて食べ放題なので人気。

買い物(お店の名前など)

学生証を見せれば,学生は無料で市内循環バスを利用できる。そのバスで行けるお店は,ひとつがWalmart。大型スーパーで安い。もう一つは,Muncie Mallというショッピングモール。Target,Macy's,Victoria secret,Bath and Body worksなど有名なお店も入っている。大学の生協にも生活用品やノート,本などは取り扱っているし,日常の買い物で困ることはほぼない。

長期休暇の過ごし方

アメリカは,日本のように祭日が多くないので,そのかわり,まとまった休暇がいくつかある。Fall Break(10月中旬に3日間),Thanksgiving(11月下旬に4日間),Semester Break(12月中旬~年明けまで3週間),Spring Break(3月はじめに1週間)。いずれも寮に滞在可能だが,その場合は追加料金を支払わなくてはならないので,旅行でいろいろなところに行くことをおすすめする。旅行に行かない場合でも,長期休暇中に寮に滞在する人はほとんどおらず,退屈になるので,アメリカ人の友達の家に泊めてもらうなど,アメリカの文化を学ぶ機会を活用したい。私は,アメリカ人の友達の家に泊めてもらいながら,ワシントンD.C.,カリフォルニア,ボストン,シカゴを旅行したため,長期期間中に寮には滞在することはなかった。

インターネット,携帯電話の使用環境

学内にはfree wifiがあるため,現地につけば,すぐにネットに接続できる。日本で使用していたスマートフォンを持っていけば,学内にいる限りは,特にネット環境に困ることない。大学からの連絡もほとんどメールで来る。しかし,大学内の諸サービスを受ける際に,緊急連絡先として,電話番号を聞かれることが多い。また,アメリカの学生はfacebookとともに,text(SMSメール)をよく利用するので,安い携帯電話を現地で購入するとよい。

服装,習慣・マナーの違いなど

アメリカの学生は,スウェットやジーンズといった,非常にカジュアルな服装で授業を受けているので,日本のようにおしゃれな服をたくさん持っていく必要はない。

アメリカにはチップの習慣があり,15%程度のチップをレストランでは支払う必要がある。

【1日のスケジュール例】

Fall Semester(木曜のスケジュール例)

7:30 起床

9:30~10:45 授業ENG 320

11:00~12:15 友達とランチ

12:30~13:45 授業JAPA 334

14:00~15:15 授業ENG 220

15:30~18:00 図書館で宿題をする

18:00~19:00 夜ご飯

19:00~21:00 Club Japanに参加

21:00~1:00 寮のラウンジで宿題をする

2:00 シャワー

3:00 就寝

【留学中,特に苦労したこととその対処法】

特に苦労したことは,クラスルームカルチャーの違い。日本では,静かに座って教授の話を聞き,ノートを取ることが多かったが,一方,アメリカでは,学生のディスカッションが中心となる。初めの頃は,学生たちが何を話しているのかも聞き取ることができなかったため,ディスカッションに全く参加できなかった。 その対処法としては,毎日目標をたててから授業に行くようにした。宿題として,マイ授業ごとに,約50ページ教科書を読んでくることが課せられるので,わからなかったことをメモして,授業中に質問してみることや,自分の意見・考えをメモしておき,ディスカッションでは,この意見だけは必ず発言することを積み重ねた。

【留学を検討している学生にアドバイス】

留学で得られるものは,語学力の向上だけではなく,それよりもむしろ,英語をコミュニケーションツールとして使う実践の場として考えたり,グローバルに物事を考え,リーダーシップを高めたりできること。大学に交換留学し,現地の学生と同様の課題をこなすことは難しいことだけれども,それを乗り越えたぶんだけ自分の自信につながるし,支えてくれる友人や家族の大切さを実感することができます。留学は準備の段階から,自ら積極的に調べるなど,行動していくことが求められます。Stay hungry, stay foolish. Go for it!

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