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晋州教育大学校留学体験記 - 2007.1

大学 晋州教育大学校
所属 中等教育教員養成課程 国語・書道
留学期間 2007年3月9日 ~ 2008年2月12日(愛教大3-4年次に留学)

派遣先の国・大学

この国・大学を選んで良かったと思ったこと

大学には他国の留学生がいないので現地の人間との密な交流が行えます。
また,近所にある食堂が非常に美味しいので楽しめます。また,採用されれば奨学金が出ますから経済的な面の心配はありません。韓国の田舎にある大学ですが,交通の中継点ですので,遊びに行く際には便利です。
それから学生たちは留学生に優しいので助かります。勉強よりも遊ぶことのほうが多いでしょう。何よりも美味しいものがたくさん食べられて幸せでした。

この国・大学で,残念だと思ったこと

授業を取る際には教授を通じて連絡がされます。時として自分が受けたい授業を受けることができないかもしれません。また,ところどころで反日活動の行き過ぎを見るかもしれません。特に男性は議論を好むので,よく歴史認識を勉強してから行くといいでしょう。
何よりも韓国はこれといって日本との差異はありません。たとえ隣国でも実際に行ってみる,というような方の留学をお勧めします。外国としてのインパクトは他国に劣ります。

普段の生活について

奨学金はありましたか?金銭状況を教えてください

奨学金は50万ウォンを支給されます。
2008年以降,ウォン安=円高が続いていますから,現在の日本円の価値に換算すると5万円にも満たないかもしれません。それでも腹いっぱいに食べて,遊びたいところには遊びに行けます。これは決して物価が安いというわけではなく,住居費と学費が免除されることによる影響が大きいです。しかし寮における三食の費用は強制的に支払わなくてはなりません。これは3ヶ月で30万ウォン程度です。
また,健康保険にも入らなくてはいけませんので,月に3万ウォンが必要となります。

寮,住居はどうですか?

住居は家賃が無料の寄宿舎があります。トイレ・シャワー・エアコン・インターネット・テレビ・箪笥・ベッドがついて,とても快適に過ごせます。寮には食堂があって,バランスのとれた料理がおかわり自由で食べられます。洗濯には1000ウォン程度が必要です。

しかし寮は23時~朝5時まで出入りが禁止されます。息苦しいかもしれません。

食生活についてアドバイス,おすすめの食べもの

この国には食べるものがいっぱいあります。そして何回食べても飽きません。
日本でもおなじみのビビンバもイカの煮付け入りやトンカツ入りやチーズ入りなどでバリエーションに富みます。そのほか,クッパやトンビョッチン,トッポギにホット・・・,ああ,この記事を書いていたら,急にお腹が空いてきました。

ちなみに記事を書いているこの私は料理をいくつか憶えて帰ってきました。材料は日本でも買えるので,よく作っています。

服装について,暑い・寒い・TPOなど

韓国人に限らず,ファッションにおいては日本が諸外国の人気を集めています。服をあちらで買うよりは,たくさん服を持って行って日本のファッションを目立たせてください。それが韓国の男性や女性にとっても刺激になりますし,むこうもそれを期待しています。

習慣の違い,マナー,対人関係,犯罪などのトラブルで注意すべきこと

目上の方に対して無礼を働くことは許されませんので,敬語や食事等のマナーには気をつけましょう。
具体的なことについては,現地の学生から学んでください。また,犯罪については強姦・強盗の割合が多いようです(国連調査参照)。特に女性の方は夜間注意を。

日本から持参するとよいと思われるもの

旅券,ノートパソコン,電子辞書,服,留学開始から二十日分の生活費,これで十分。

おすすめのお店・場所・スタッフ・先生など

こちらから何も言わなくても現地に行けば勝手に学習します。とにかく毎日,歩いて,食べて,自分のやりたいことをやって,見つけてください。・・・ああ,でも,近所の食堂で食べたキムチとピザチーズ入りの石焼きビビンバは熱くて甘くて美味しかったな。いや,公園の向こう側で食べたトロトロのスペアリブも・・・学校の裏側のクッパはガチだね。そうそう,たくさん食べた後に湖に散歩するのも楽しかった。それから,それからァ・・・!

言葉で困りましたか?どのくらいで慣れますか?

三カ月も経てば勉強しなくても自由に会話ができます。旅行にも行けますし,カジノだってきっといけるはずです。誰か挑戦してみて欲しいものですね。
ちなみに私は勉強ゼロで行きましたよ。もともと外国語は苦手でね。だから,逆に言えば,面白かったけどさ。

留学生活中はアルバイトをしましたか?

していません。やってはいけません!(やるとね,学生ビザ規定違反で捕まっちゃうよ!)

留学中に行くべき,おすすめ観光スポット

たとえば手元に韓国観光情報が満載の本があったとします。安心してください。金と時間さえあれば全部をみることができます。全州に行ってビビンバを食べ,慶州へ行って鰻頭を食べ,プサンに行って刺身の盛り合わせを食べ,ソウルへ行ってクッパを食べ,泗川に行って焼き肉を食べ・・・,あー,えーっと,他に何か食べるものあったっけなあー?

留学先の情報収拾方法(出版物,webサイト)

今,閲覧している『これ』がもっとも信用できるのではないでしょうか。
あ,大学のホームページはhttp://www.chinju.ac.kr/ですよ。

大学生活について

留学先おすすめの授業・履修方法

国語教育,数学教育,理科教育,韓国文化の理解,体育,家庭科,などなど

勉強についてのアドバイス

まず語学留学ではないことを意識してほしい。海外に行ったらすべてが勉強。授業はわからないこと尽くしですが,わかることが出来てくると多少は面白くなります。

コンピュータ,インターネット使用環境

バリバリガンガン使えます。ひきこもりにならないよう細心の注意を払ってください。

留学前の勉強・単位取得などに関してアドバイス。たとえば,教職希望の学生は実習の時期をどう調整しましたか。

実習の時期を調整する必要はありませんが,事前指導に参加できない可能性があるので,友人や知人に頼んで教育実習係に行ってもらう必要があります。まあ,それくらいです。

留学先で,どのようにして現地の学生と交流を深めたか?(できる限り具体的に)

まずは留学生担当の先生たちが,現地学生たちの専攻・科に案内してくれます。
4月に「ハッスル」と呼ばれるダンス大会がありますので,これの練習に参加しつつ,一緒に汗を流してください。また,トアリと呼ばれるダンス大会がありますので,積極的に参加してください。できるだけ運動部に所属するといいでしょう。少なくともこれで友人ができないことはありません。あとは個人の力で人脈を切り開いていけばいいと思います。

どこの国からの留学生がいますか?日本人の留学生はいますか?

前述したとおり,いません。ですから,韓国語を体で習得できる環境です。

健康・医療関係

留学時に必要とされた予防接種の種類・回数・費用

A型肝炎が必須だった,と思います。留学許可が下りてから時間がないので,すぐに名古屋市の名鉄病院にて予防接種を受けてください。それだけでなく健康診断も必要となりますので注意してください。
これらに掛かる費用は少なく見積もっても二万円です。

健康管理あるいは衛生面について特に注意すべきこと

学生たちはネット漬けである場合が多いです。PCバン(いわゆるネットカフェ)に通うようになったなあ,と思ったら,毎日,運動をしてください。衛生面は田舎になるほどに杜撰です。危ないな,と思ったら食べない。これは徹底してください。

留学中に病院へ通った経験の有無,医療費など

まったく無事故でした。また,病気もしませんでした。同行した人が足の怪我の治療のために通院されていましたが,健康保険証さえあれば一万ウォン以内ですみそうです。しかし日本で病気になったときのことを想像してみてください。それくらいはするはずです。

留学前に入った保険

入ってませんね。入っておくと安心する人は,入っておいて安心してください。

留学後

留学後,日本にきて困ったこと

しゃべろうとすると韓国語が出てしまいます。困ったことよりも嬉しいことのほうが多いかもしれません。ただ,慣れ親しんだ韓国料理が毎日食べられないと思うと残念です。

おすすめのおみやげ

絶対にコチュジャンですね。これ以外には考えられません。そして自分が韓国料理を覚えてくることによって,その料理を披露する機会に恵まれます。とても喜ばれるので,ぜひ料理を習得してください。ああ,トッポギを作るためのソースもあるといいですね。

留学後,単位申請した学生は,その際にどんな書類が必要だったか

えーっと,単位申請はしていませんね。

帰国後の履修について

一つ下の学年だった人と,特に変わらない履修をしております。

就職活動

留学先からどのように就職活動を行ったか

私の場合は小説家を志望していますので,韓国でも執筆に明け暮れていました。書いた小説は日本に帰って出版社の新人賞に応募しております。これは参考にはなりませんか。

就職活動の際,留学経験がどのように影響したか

一年間の余裕ができますので,将来について悩んだり考えたりする時間があります。日本の社会システムから解放されて,より大きく穏やかなビジョンで考えることができますので,就職活動をするにも方向性を決めるのに役立ちます。しかし三年生終了後の留学は就職活動の最もさかんな二月から五月までの期間に大きな影響を与えますから,準備は万全にしておくといいでしょう。
それから短期留学というスキルは実際に役にたつものではありません。「留学したから何なの?」という反応をする企業がほとんどです。逆に言えば「いい企業に入りたいから留学する」というのは,やめておいたほうがいいですね。

こんなことを言うのもなんですが,もとより「絶対に入りたい企業がある!」という意志があるなら,エントリーの時期に合わせた行動をするはずです。一時帰国ならいつだってできますしね。留学は就職活動に直接的な影響を与えません。影響を与えるのは個人の内面です。よって「留学をしたから就職活動が大変だ,」なんてことはありませんよ。

最後に

留学前と留学後にどのようなギャップがあったか

留学はそんなにすごいことじゃないってことに気付きましたね。それから,前述したとおり留学することによって物事を考える時間と余裕を与えられたので人生が大きく変わりました。何てったって,留学前は考えもしなかった進路に突き進んでいますから(笑)。

でも,これは韓国の学生たちのおかげ。日本の小説って韓国でもすごく読まれているんですよ。小説だけでなく,アニメやゲーム,いわゆるサブカルチャーがウケている。自分の進路の整理がついただけでなく,日本という国の底力に気付いたことも良かったですね。

留学してよかったですか?

そりゃあ,よかったですよ。隣国とはいえ,留学したことで自分がより『面白く』なった気がしますからね。それにヘンな友達もたくさんできた。真面目なやつも,遊んでるやつも,エロいことばっかり考えてるやつも(笑)。ネジを落としたようなヘンなやつらがいっぱいいるんですけどね。・・・まあ,それは韓国に留学にしてからのお楽しみィ~♪

留学を終えての感想

留学の現実を以上の文章に濃縮してみましたが,書いてみて「ああ,またあいつらと焼き肉してェなあ」なんて思っています。竹島問題や従軍慰安婦問題,韓国併合問題や独立問題,朝鮮戦争,色々と論争して一歩も退かなかったから,あいつらにしちゃあ腹が立つ相手だったかもしれない。けれど,飯を食う時だけはお互いに「美味しい」を求めていたし,アニメだって一緒に「楽しんで」見ていた。そういうのが大事だったんだと私は思います。だから,韓国に留学に行く人はちゃんと「歴史の勉強」をしてから行って欲しい。

そして,彼らとの文化に触れつつ,大いに自分を「面白く」して欲しいです。