海外への留学

海外への留学

香港教育大学留学体験記-2018.5

所属 初等教育教員養成課程 英語選修
留学先大学名(国) 香港教育大学(香港)
留学先での専攻
留学期間 2017年9月~2018年5月
奨学金受給 有(愛知教育大学基金)

【留学先大学について】

学生数

留学生数

第一セメスター約60

第二セメスター約50人 (教育実習生含む)

(留学生の主な国籍:スウェーデン、デンマーク、ドイツ、イギリス、スペイン、オーストラリア、韓国、台湾、マレーシア等)

(うち日本人留学生数:3人)

学部

教育学部とそうでない学部がある。愛教大のように、教科ごとに学部が分かれている。英語科でも、英語教育課程と英語学課程とある。一度に2つ学位を取得できる課程もある。教育学部は5年で卒業。

大学の特徴

教育大学であるため、教育に関する授業が受講できる。また、教育以外のコースも存在する。授業は英語で行われるものと中国語で行われるものがある。交換留学生だけでなく、様々な国からの学生が集まった国際色豊かな学校。

大学の立地

最寄りからバスで15分~40分(時間帯や乗るバスによって異なる)。香港の中心地まで行くには1時間から1時間半ほどかかるが、バスで15分ほどの場所にスーパーやレストランが多くあるので生活には困らない。学校は香港の新界(ニューテリトリー)にあり、深セン(中国)に近い。山の中にあり、自然豊かな環境。

【授業について】

単位はクレジット制で、留学生は最低12クレジット、最高15クレジット選択する必要がある。(基本的に1授業3クレジット)留学生が受講できる授業のリストから選ぶことができ、自分の専門科目以外でも受講が可能である。

受講した授業科目


第一セメスター(15クレジット)

-ENG2256 Primary ELT Method1 Developing Oracy Skill

-ENG2257 Secondary ELT Method1 Developing Oracy Skill

小学校、中学校でリスニングとスピーキングに焦点をあてて、どのような授業を行えるか考える授業。指導案作成や、模擬授業を行う。

-ENG3340 Spoken and Written Discourse

言語学の授業。Spoken and Written Discourseがどのように人のコミュニケ―ションに作用しているか、また、教室でどのように作用しているか考える。コーパスを使用した授業。

-TLS2004 Effective Teaching and Positive
Learning Environment

効果的な教授法や、学級運営について考える授業。

-TLS3005 Assessment for Productive Learning

評価法についての授業。様々な評価法についてそのメリットやデメリットについて考える。


第二セメスター(12クレジット)

-GEK1015 Effective Negotiation and Positive
Conflict Management Secrets of Successful Teamwork

心理学の授業。対立が起こった場合、どのように交渉し、問題を解決できるかを考える授業。入門編のような授業で、なぜ対立が起きるか、どのような交渉の方法があるかを紹介してくれるので、初めての人にもわかりやすい。

-ENG4283 Drama in the ESL Classroom

ドラマ教育をどのように英語教育に落とし込むかを考える授業。模擬授業もある。

-ENG2254 Children Literature in ESL
Classroom

児童文学というよりは、どのようにReadingを児童に親しんでもらうかを考える。計4回付属小学校で絵本の読み聞かせを行う。

-CSL1022 Exploring Hong Kong's Rural
Heritage Nature

香港の歴史的な村を訪れて、そこのウェブサイトとビデオを作成する。教室での授業はほぼなく、各グループで進めていく。


受講を薦める科目

-ENG2254 Children Literature in ESL
Classroom

付属の小学校で4回英語の本の読み聞かせを実際に行うことができる。


履修方法

留学生が受講できる授業のリストをみて受講科目を決める。シラバスにも目を通しておくと良い。留学生は1215クレジットまで受講可能(45教科)。ネットで履修するが、先着順のため、開始時間とともに始めることを勧める。

1回の授業時間は1時間から3時間。授業によっては、レクチャーとチュートリアルで授業が週に2回以上あるコースもあるため時間が被らないよう気を付けなければならない。

授業開始から1週間ほどは履修登録がまだできるため、履修を取りやめや、追加することもできる。シラバスでは英語での授業と書いてあっても、中国語で授業が行われているものもあるらしい。


外国語補講

基本的に無し

インターナショナルオフィスと現地学生が留学生向けに広東語講座を開講しており、参加自由。テストなどはない。英語の補講はないが、英語サポートセンターのような場所があり、外国人チューターのサポートが受けられる。

勉強についてのアドバイス

受講する教科数は多くないが、一回の授業のボリュームが多く最初は大変かもしれない。個人的には、授業を連続で受講すると集中しきれないことが多いため、最低1時間は空けておいた方が集中できるのではないかと思う。また、昼休憩の時間は用意されてなく、11時から2時までと昼を挟む授業や、6時から9時と夕飯の時間帯の授業もあるため、集中力を保つのが大変なときもある。

授業にもよるが、学期末に課題が集中することが多いため、計画的に行うべき。先生にメールしてconsultationをお願いすることもできる。その場合は何を聞きたいのか、何に困っているのかをはっきりさせておく必要がある。どの授業も10003000wordsの課題が出ることが多い。また、グループワークも多い。英語教育の授業は模擬授業を行うことが多く、指導案を作成しなければならないこともある。学生はみな優しいので困ったら助けてもらうと良いと思う。受け身になりすぎず、積極的に話し合いに参加できるとよい。

(教職希望の学生の場合)

教育学部らしい授業も多く、自身の専門の授業をとることができる。指導案の作成、模擬授業を行う授業や、学外や付属学校での実習など実践的な授業などもある。また、あえて新しいことに挑戦して教育以外の授業をとることももちろん可能である。

【留学前準備について】

準備期間

留学の5か月前から準備

準備内容

ビザの取得、情報収集

留学先の情報収集方法

愛知教育大学に留学に来ていた学生に聞く。現地のインターナショナルオフィスに聞く。

語学準備

5か月前から、 学習方法:IELTSの参考書を解く

ビザ取得の有無

有 (取得まで3か月ほど必要)

ビザ申請時の注意事項

現地のインターナショナルオフィスのスタッフが手伝ってくれるため、その指示に従えば問題はない。ただ、必要書類が多く、保護者の助けも必要なため(財政状況証明等)、早めの準備が必要。

航空券

片道1万円~3万円。もっと安いものも高いものもある。行きのチケットは7月に、帰りのチケットは4月に購入した。香港エクスプレスは安価だが、遅延が多い。荷物の容量も確認して決めると良い。

日本から持参した方がよいもの

タコ足配線、教育学部なら日本の教授法や、興味のある学術書(現地で関係する授業をとるときに参考になる)、厚手の上着1枚(暖房がない)、パーカーなどの羽織(年中エアコンが効いている)

留学前にあると良かった情報

-日本のものはほぼ何でも手に入るため、心配はいらない。食品はもちろんのこと、無印良品やユニクロ、GUもある。値段は1.5倍ほど。

-冬は10度以下になることもあり、とても寒い。コートやダウンが必要。部屋にも暖房はないため、風邪をひかないよう気を付けなければならない。
-香港では学生はほぼみな英語が話せるが、レストランの店員さんやスーパーの店員さんは英語が喋れないことが多い。広東語での会話が主流のため、いつでも英語が通じるわけではない。ただ、友達の助けがあれば特に困ることはない。

【留学先について】

都市(街)の名前

香港

規模・雰囲気

香港自体はとても小さいが、人口が多く騒々しい。いろいろな国から集まった国際色豊かな都市。

気候

4月~10月までは湿度も気温も高く、蒸し暑い。5月から雨季が始まる。11月12月3月は15度から20度ほどでそれほど湿度も高くなくとても過ごしやすい。1月2月は10度以下まで冷え込むことがある。湿度が高いため気温よりも寒く感じられる。除湿のために冬もエアコンがついている。

治安

良い。街灯も多く、夜ジョギングやウォーキングをしている人も多い。子どもも夜10時ぐらいまで外を出歩いていることも。飲み街など特定の地域以外は治安がいい。

【日常生活について】

滞在先

滞在形態

学生寮

部屋の種類

共同(二人部屋、留学生)

家賃

月額2万2千円程度、光熱費込(エアコンは自分でチャージ、洗濯はコインランドリー)

滞在先での問題
問題は特になかったが、火災報知器が誤作動することが何度かあり、夜中に鳴ることもあった。また、部屋もキッチンも洗面所も共有のため、一人の時間はあまり多くない。

医療(日本から持参した方がいい薬,健康管理の注意点,利用病院名,費用など)

学内に健康センターがあり、1回20ドルほどで診療と薬がもらえた。ただ、薬の効きはあまり良くないとも聞くので、早く治したい場合が学外の病院の方がよいと聞いた。私は1度虫刺されの治療を受け、薬はよく効いた。
漢方がとても有名で、漢方屋や、漢方茶、ジュースなど露店で販売している。お茶はその場で飲んで器をそこで返却する。

食事(学食・外食の値段など)

各階に共用キッチンがあるため、自炊をする学生も多い。キッチンには、冷蔵庫、電子レンジ、電気コンロ、ウォーターサーバーがある。ただ、多くの学生と共用のため、誰かが使っているときは待つ必要がある。また、冷蔵庫のスペースもとても小さく、まとめ買いなどはできない。

校内には学食が2つあり、外で食べるよりも安く済ませることができる。また、コンビニもあるため、そこで買って食べることもできる。

学校付近での外食はTaiPoでする学生が多い。(バスで15分ほど)

香港は広東料理が有名で、飲茶など安くおいしい料理が多い。また、朝ごはんやおやつの時間のメニューの豊富なレストランも多い。物価は安くはないが、安くておいしいレストランは多くある(特に大学周辺)。香港島だとさらに物価があがる。

個人的に食べてほしいものは、飲茶、パイナップルパン、タピオカジュース。タピオカジュースは様々なお店があり、飲み比べてみるのも楽しい。ただ、砂糖が多く入っているため、飲みすぎには注意が必要。(体重は定期的にチェックした方がよいと思う...)

買い物(お店の名前など)

日本の製品も多く購入できる。無印良品、ユニクロ、GUなどあり、日本の値段よりは割高だがよく利用した。
タオバオという中国のネット通販サイトを利用している人も多い。洋服はもちろん家電なども購入できる。ただ、サイトが中国語のみのため、現地の学生に手伝ってもらうと良い。

長期休暇の過ごし方

主な休暇は、年に5回ある。(mid-autumn festival, Christmas, Chinese new year, Easter, Summer holiday

クリスマスは香港に残り、香港で友達とゆっくり過ごした。

それ以外は友達と旅行に行った。(杭州、上海、桂林、廣州、韓国、マカオ)日本のパスポートは、中国旅行で14日以内ならビザが不要で旅行しやすい。他にも、東南アジアの国に旅行に行く学生が多かった。

また、アメリカやオーストラリアに行く学生もいた。(直行便が多く、安価なチケットが購入できる)

インターネット,携帯電話の使用環境

香港はSIMカードがとても安く、通信量も安い。私は月100ドルほどで3G回線利用無制限のプランを使用していた。SIMカードはコンビニでも購入できるが、よりよいプランが良い場合はCMHKの店舗で契約する必要がある。現地学生におすすめをきくのも良いと思う。

服装,習慣・マナーの違いなど

香港のMTRの中で飲食は厳禁である。一方で、車内の通話はマナー違反ではない。香港の人はののしり合う言葉を多用するため、当たりが強く聞こえる。

トイレは、トイレットペーパーを便器で流してはならない。香港では、最後便座を上げるのがマナーらしい。
服装は長いズボンやスカートよりも短めの丈のものが多い気がするが、なにを着ても別に浮いたりはしないと思う。ただ、エアコンの効きが強いためパーカーは必須。

【1日のスケジュール例】

800起床

930授業

1230昼食

1400予習・復習

1800部活(ドラゴンボート)

2100夕食


24:00就寝

【留学中,特に苦労したこととその対処法】

特に留学で困ったことはなかったが、なにか問題が起こった場合、友達に助けてもらうと良い。みんな優しくて喜んで助けてくれると思う。

【留学を検討している学生にアドバイス】

英語での授業を現地の学生と一緒に受講することになるため、授業のスピードはとても速いです。そのため、日本にいる間にしっかりと英語の勉強をしておくべきです。
勉強以外の生活面ではほぼ心配しなくても快適に過ごせると思うので心配はいらないです。教師を目指している学生なら、香港教育大学はどの大学よりも高いレベルの授業が受けられるので本当におすすめしたい学校です。

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