海外への留学

海外への留学

フライブルク教育大学体験記 - 2008.1

大学 フライブルク教育大学
所属 教育学部 生涯教育課程 造形文化コース
研修期間 2008年4月1日 ~ 2010年3月(愛教大4年次に留学)

派遣先の国・大学

この国・大学を選んで良かったと思ったこと

大学について:留学する前の年の夏休みにこの大学で行われたサマーコースに参加していたので,どんな場所でどんな雰囲気か知っていたので戸惑いは少なくてよかったかもしれません。愛教に負けず劣らずな風光明媚な場所なのでゆったり生活できます。

国について:これは人種差別かもしれないけど「中国人か?」ときかれて「日本人です」といったときに人々の対応がとたんによくなることが多いです。

この国・大学で,残念だと思ったこと

国に対して不満に思うことはありません。学校については正直不満だらけです。
おそらく本校からの留学生はドイツ語の授業において前期は一番下のクラスになると思います。しかし,私の場合,1番下のクラスの人数が少なくて授業が開講されませんでした。ただでさえ週2時間しかない(それも少なすぎて驚きました。サマーコースはほぼ毎日だったので)のにそれが開講されないなんて思ってもみなかったです。訴えても「ルールだから」といってなかなか取り合ってもらえません。結果週1回はコミュニケーションの授業が何とか開講されましたが,ドイツ語を勉強したいという比重も私の目的で大きいものだったのでかなりショックでした。

面接試験では留学したい理由を聞かれると思います。皆さんもいろいろ考えてはいると思いますが,腹の底では「語学」というのも本音だと思います。そして留学するに当たり,その授業の重要さは本当の目的がなんであれ大変大きいでしょう。他の授業は当然ドイツ語ですし,それを理解しなければいけません。そのための耳が必要ですから。
日本にいたときにこういったマイナスの情報は全く入ってこないので「協定校だから大丈夫だろう」ということで留学先を決めたのは安易過ぎたと思い,私も反省しています。やりたいことにおける授業はどんなものがあるのか,そして語学の授業はどれくらいの頻度で行われ,それは絶対に毎学期あるものなのかは,しつこく調べた方がいいと思います。現地での語学学校のお金もかなりバカになりません。(私は通っていませんが,奨学金ではまかなえません)

普段の生活について

奨学金・金銭状況

私は愛知教育大学から月5万円奨学金をもらっています。夏休みが過ぎてからはユーロが少し下がったので楽になりましたが,前半は170円台のこともあったので,とても奨学金だけではやっていけません。ちなみに大学の寮が約230ユーロ,現地で加入した健康保険が約65ユーロです。削るとなると食費になるので夏休み前は体重測定前のボクサーのような食生活でした。

寮,住居はどうですか?

私は学校敷地内の寮で生活しています。キッチン,トイレ,シャワー(私の部屋はバスタブ有り・3人部屋だとシャワーのみ)共同の4人での生活です。寮にはドイツ人の子もいます。
わたしのルームメイトは全員ドイツ人の女の子でした。彼女たちはもう数年ここに住んでいるしドイツ人同士すごいスピードのドイツ語を喋るのでなかなか入っていけず,授業がないダメージもあって,前半は会わないように生活しているような状況に陥ったときもありました。
また女の子どうしなので生活ルールも当然結構あって,男兄弟に囲まれて生活していた私にはこれもかなりのストレスになりました。(意見があってもドイツ語ではいえないし,新入りだし...とひいていた部分もあって)すべてのドイツ人ではないでしょうが,とりわけ私のルームメイトは全員が全員,早寝早起きな人たちで,夜型人間でお風呂は毎晩湯船につかりたい私は夜10時過ぎると忍び足で生活しなければいけませんでした。

今は要領を得たので文句の言われない程度に適当にやってます。それと最近は女の子トークに花を咲かせることもしばしば。友達として,くだらない話ができるようになると,お互い,ちょっとだらしない日があっても許せるものです。
とにかくルームメートは何かと力になるので少々腹が立ってもしばらくはこらえて仲良くしておくといいと思います。

食生活についてアドバイス,おすすめの食べもの

野菜はサイズが大きかったりしますが(とくにキュウリは極太),いろいろ手に入ります。
格安スーパー(ALDI) でにんじん,ジャガイモ,玉ねぎは1キロ単位で売っていることが多く安いのですが,悪くなるのも早いのでグラム単位で買う方が結果としては安く上がります。
またREWEというスーパーでは時々500グラム1.6ユーロで大量の砂肝が置いてあり,結構世話になっています。

服装について,暑い・寒い・TPOなど

夏はふつうに暑いです。ただ夕方は多少冷えることもあるのでパーカー,カーディガンは必須でしょう。また寮に冷房装置はありませんが,特に必要に感じたこともありませんでした。(空気が乾燥しているからか,日が照っている所と照らない所では温度差がかなりあります。)
9月にはいると急に冷え込みます。ジャケットがいります。日中はそれでも10月初旬くらいまでポカポカ陽気のこともありまずが,朝晩は暖房がいります。(寮は水道電気光熱費が家賃に込みです。日中は暖房消されます。)冬は...まだわかりませんが,雪も降るところなので相当冷えるのだと思います。ちなみに10月下旬で最高気温が6℃です。

習慣の違い,マナー,対人関係,犯罪などのトラブルで注意すべきこと

日本から持参するとよいと思われるもの

電車の改札がないので,自分が持っている切符が正しいのか迷う時がある。
アジアショップもあるのでそんなにこまりません。抹茶チョコレートやせんべいとかは高いので持っていくと癒されます。録音のできる携帯音楽プレーヤーは何かと便利ですよ。
洗濯紐,アイロン等は私たちが使っているのを差し上げるのでお使いください。(留学が決まったらこちらにあるものを一欄にしてお伝えすることも可能ですよ)

おすすめのお店,場所,スタッフ・先生など

スーパーはシュトラッセンバーン(ちんちん電車)をつかって大学から5つ目の駅に小さめのショッピングモールがありそこにALDIとREWEがはいっており,よく利用しています。
中心街だとKAUFSTAT(注意:KAUFHOFもあります)の地下にあるMIGROSというスイスからきたスーパーがあります。基本少々,高めの値段ですが時々上の2つより安いこともあり,品揃えもいいので私はよく利用します。
IKEAはインテリアをそろえる時に役に立ちます。中央駅まで行って,1番線(?)のIKEA行きのバスで行けます。留学したら半年有効のこの地域乗り放題の定期券(SEMESTER TICKET:69ユーロ)を購入するはずなので交通費は特にかかりません。

言葉で困りましたか?どのくらいで慣れますか?

言葉は本当に困ります。知っている単語も発音が思っていたのと全然異なるので悲しくなるほど通じないし,理解できません。本当に凹むと思います。
日本では単語も大事ですが,文法を出来るだけ完璧に勉強してください。(自分はこれに後悔しています)文法の授業もありますが,文法用語も当然ドイツ語で,それをまず調べるところからやっていると効率が落ちます。そこはドイツ語教師にでもならないかぎりたいして使う単語でもないので割り切っていいのではないかと。。。

耳は,現地に来ないとなかなか慣れないので難しいと思いますが,日本で独学でやれることといえば,ドイツ語の映画やラジオドラマ(子供用)を録音して(頑張って探してください。) 1フレーズをなんども聞いて,それをノートに書いて,口真似してブツブツ繰り返すという方法かなと。
私はちなみに宮崎駿の魔女の宅急便や,トトロのドイツ語版をもらったのでそれを使ったり,ドイツ人の子供に有名なFuenf Freunde(フュンフ フロインデ/5人の友達)シリーズのカセットをmp3に録音したりして部屋で一人ブツブツやっています。出来なくても,生きてはいけます。
なにもしなくても半年したらなんとなく聞き取りはよくなりますよ。出来るに越したことはないのでやれるだけやっておくといいとおもいます。

留学生活中でアルバイトをしましたか?

アルバイトはしていません。しちゃいけないのでは?ただ,私の場合,知り合いのドイツ人のつてで,場所はパリですが,夏休みの間,住み込み食事つきでドイツ人の写真家の方の実習生になれるという幸運はありました。

留学中に行くべき,おすすめ観光スポット

お勧めではないですが上記の通り,パリにはよくいきました。週末利用で行ける所なので,お勧めの行き方を紹介します。電車はユーレールパスがやはり1回に換算したら安いです。ただ滞在半年を越えると購入できなくなります。
フランスに行くときには最低,国境の町から目的地まではICE利用(ドイツの新幹線名),TGV利用(フランスの新幹線名)でも必ず予約が必要です。フライブルグからだと多くの場合ストラスブルグという町がドイツとの国境になります。そこからパリまでの予約料金は3ユーロでした。ユーレールを使ってもこれは別途必要なので,事前に予約することが必要です。週末は利用客が多く満席になるのでお早めに。

ユーレールがなくても早めのネット予約なら39ユーロからEurope Specialという名前のチケット(キャンペーン)でいけます。定員しだいなくなりますし,出発が近くなるほど高くなります(ほかも目的地でもこのキャンペーンはやっていると思います)ネット会員は簡単になれるので旅行するには便利だし,かなりお得なのでなっておくといいと思います。

留学先の情報収拾方法(出版物,webサイト)

あっとベルリン
準備をするときに何かと参考になりました。

大学生活について

留学先おすすめの授業・履修方法

ドイツ語(コミュニケーションレベル1,文法レベル1,2),白黒写真,カリグラフィー,凹版印刷,絵画,陰における表現,美術の授業のなかのビデオ 基本は,もらったシラバスみたいな本の後ろに書いてある教授のメールアドレスに,自分が留学生であること,この授業を受けたいということを書いて送信します。先生によっては連絡先が載っていない事もあるのでその場合は初めの授業で直接聞きます。

例外としては,私の場合,写真の授業で,これは10人までの定員制で,希望者はフォトラボの前の張り紙に名前を書き,多い場合は高学年から優先的に参加できる,という方法でした。
このときの高学年というのは,こちらは半期を1ゼメスターと考えるので,私の場合,四年で留学したので7ゼメスター目と書くことが出来ます。初め,この期間はドイツ滞在だけ有効だと思い込んで1ゼメスターと紙に書いてはねられたので,図々しく日本の分もカウントして書いたほうがいいです。(このときはルームメイトに訴えたら,「この学校でやってくには,もっとしつこく言わないとダメよ!!」と,私の変わりに先生に直訴してくれて特別に参加できるようになりました。)

コンピュータ,インターネット使用環境

私の場合,ルームメイトが無線ランをもっていたので月7ユーロでそれを使っています。
うちの寮の場合,通常は寮内に「電話係」となっている(おそらく)生徒がいるのでその人を訪ねて,インターネットを使いたい旨を伝え,月約13~17ユーロほどで自分の部屋で有線ランの使用が可能になると思います。私もいまいちよくわからないので,こちらの学校の国際交流課(Inter national office)に聞いてください。

学校内ではPCルームが二部屋あります。一つはきたらすぐに案内してもらえると思います。もう一つは地下階の教室です。
個人パスワードが全生徒もらえるのでそれを使ってPCにログインします。

留学先で,どのようにして現地の学生と交流を深めたか?(できる限り具体的に)

ドイツ人はシャイなので(?) なかなか話しかけてもらえません。日本の大学で留学生はちやほやされがちですが,こっちで留学生は部外者です。かなり緊張するとは思いますが「授業で必要なものは何ですか?」とかからちょっとずつはなしかけることが大事です。「Hallo.(ドイツ語はeではなくaをつかいます)」だけでは仲良くなれません。一度話しかけると2回目がかなり楽になります。それをしないと友達はほぼ留学生同士だけになります。

留学生もドイツ語を勉強している子がもちろん多いので練習にはなりますが,発音が違うので聞き取りはより一層辛いことも多いです。
また私は,留学生は留学生同士とばかりつるむというのが嫌いだったので,そこそこの付き合いしかしていません。結果ドイツ語の授業は若干のアウェイ感を毎回味わっていますが,ベタベタ付き合って自分を殺すほうがしんどいので別にいいやという感じです。

どこの国からの留学生がいますか?日本人の留学生はいますか?

正規の学生でマリさんというかたや,教育大学ではなくUniversitaete von Freiburgの生徒として8年ほどフライブルグに滞在している島田さんというご婦人は知っていますが,他の日本人の学生はよく知りません。
日本以外の留学生はポーランド,チェコ,トルコ,ハンガリー,デンマーク,スウェーデン,アメリカ,コロンビアからが多いようです。

健康・医療関係

留学時に必要とされた予防接種の種類・回数・費用

必要とされたわけではないですが,ハシカの予防接種は受けました。確か水疱瘡も一緒に抑えることが出来る注射で12000円くらいしたと思います。

健康管理あるいは衛生面について特に注意すべきこと

衛生面は特に気をつけていません。水も別に飲めます。ただこちらは硬水で私は好きじゃないし,人によってはお腹の調子も悪くなるのでミネラルウォーターを買っています。

留学中に病院へ通った経験の有無,医療費など

今のところありません。ただ,下記の保険に加入しているので初診は10ユーロでそこから3ヶ月間は,どの医者に(違う病気になっても)どれだけ行っても支払わなくて大丈夫です。
初診から3ヶ月以上たって病院に行くとこがあったら,また10ユーロ支払います。

留学前に入った保険

とくにありません。現地でAOKという保険会社の学生用保険に加入しています。この手続きは留学がはじまったときの説明週間で手続きを助けてくれるので心配要りません。
日本で入った留学保険は有効じゃない場合もあるようなので(詳しくは浅井君に聞いてください)日本では特に入らないでもいいと思います。歯科系の保証と,とくに女性は妊娠がカバーされていないと100%こちらでこの保険に加入しなおすことになります。
もちろん日本の留学保険には物を壊したときの賠償や一時帰国の保障なども付帯していると思うので余裕があるなら日本の保険にも入った方が安心だとは思います。あくまでAOKで加入するのは健康保険なので。(確かではないですが,AOKはヨーロッパ圏内で発症した病気は保障してもらえたと思います)

留学後

留学後,日本にきて困ったこと

とくにありません

おすすめのおみやげ

酢。重いですけど,スーパーにいろんな香りのお酢が置いてあって,ドレッシングとか,水で割ったりして飲むとおいしいです。

留学後,単位申請した学生は,その際にどんな書類が必要だったか

まだしていないのでわかりません。

帰国後の履修について

単位は3年までにほとんどとったので,必修と言語系を少し履修しています。

就職活動

留学先からどのように就職活動を行ったか

まだあまり始まっていないのでわかりません。

就職活動の際,留学経験がどのように影響したか

私が聞きたいくらいです。

最後に

留学前と留学後にどのようなギャップがあったか

ギャップは特に感じません。どこにいても私は私なので。キャンパスに同級生がいないのに違和感があります。

留学してよかったですか?

楽しかった分,これから日本での生活がしんどくなると思うので,よかったような悪かったような・・・半分半分です。

留学を終えての感想

1年何もしなくてもいろいろ考えずにはいられない期間でした。帰ってきてからも何を得たのか,就職はどうするのか,とゴタゴタ周りに言われますが,マイペースな人は明確な目的がなくてもチャンスがあるならいってみるべきだと感じています。20代前半の1年が吹っ飛んだっていい,たいしたことない・・・と思いたい。
言葉が通じない国でたった1年でも生活するには,それなりに苦労もするし,ストレスもたまるし,それなりの経験になります。経験できる,するということほど大切なことは20代ないと留学後いっそう強く考えるようになりました。

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