海外への留学

海外への留学

フライブルク教育大学体験記 - 2009.1

大学 フライブルク教育大学
所属 初等教員養成課程 教育科学
研修期間 2009年4月1日 ~ 2010年3月31日(愛教大4年次に留学)

派遣先の国・大学

この国・大学を選んで良かったと思ったこと

私の住んでいるフライブルク市は大学都市と呼ばれ,学生が多く,学生が住みやすい街です。
街にも森にも1時間以内でいけるという環境はすばらしいです。勉強をするにも,息抜きをするにも,最適な環境です。またEU圏内では比較的物価が安く,食費などもすくなくて済みます。
他の国からの留学生も多いので,外国人に対するまなざしが日本に比べると優しい気がします。

大学は教育大学ということもあり,自分と同じように教員を目指しているドイツ人の学生や他国からの留学生と知り合う事ができたこと,そして「教育」という共通の話題で話ができたことが良かったことです。また,日本人がドイツ語を学ぶ難しさに共感してくださる教授や講師の先生が多かったので,気負わずに質問することができたのがよかったです。

この国・大学で,残念だと思ったこと

電車がよく遅れること。特に長距離電車は遅れることが多く,ホテルに泊まらなくてはならなかったことも一度ありました。電車遅延の証明書をもらい,申請すれば,ホテル代とチケットの60%が返金されます。

公衆トイレはあまりきれいではありません。便座がないトイレがほとんどです。少しお金をはらうと綺麗なトイレに入る事ができますが,日本ではトイレにお金を払った事がなかったので,初めは抵抗がありました。

大学では,日本学,アジア学など日本に関する授業やコースが全くないので故郷を感じられる環境は全くありません。その代わりに,他の国からの留学生,ドイツで外国人をしているという点で同じ立場の学生と仲良くすることはできました。
しかしながらやはり1年間日本に帰らないとなると寂しくなる時もあると思います。

留学前について

留学前の準備期間・内容,反省点

ドイツに来る前に出来るだけドイツ語の単語や文法事項を覚えて来た方がいいと思います。というのも,こちらでは完全にドイツ語の授業になるので,例えばドイツ語の文法事項について学ぶ時も,一度日本語で学んでいると助けになると思うからです。

購入した航空券,お勧め経路等

片道チケットで,中国国際航空できました。

普段の生活について

言葉で困りましたか?どのくらいで慣れますか?

私は1ヶ月ドイツで生活していたのですが,そのときはほとんど日本人と一緒にいて,ドイツ語を使う機会は授業中くらいだったので,あまりドイツ語は話せない状態でした。相手が言っていることは,単語や状況,表情からも理解することができますが,自分の意見を言えるようになるのには少し時間がかかると思います。
いずれにしても,日常生活でどのくらいドイツ語にどっぷりとつかるか,またどのくらいドイツ語で会話をするか,それがどのくらいできる環境にあるかで個人差があると思います。

日本と違う!と思ったこと,戸惑ったこと

電車の改札がないので,自分が持っている切符が正しいのか迷う時がある。

寮,住居はどうですか?

私が住んでいる寮はドイツの一般的な寮とは違いドミトリー形式で3~5人で共同生活になります。だいたい8畳くらいの個室が一人一人にあり,キッチン,トイレ,シャワー等は共同です。同居人にもよりますが,基本的にとても綺麗です。
私は4人での共同生活をしています。私以外は全て教育大に通うドイツ人の学生です。4人での共同生活なので,お互いにより親密になると思います。関わり合いを求めて行けば,忍耐強く話しを聞いてくれます。
4人とも同じ大学の学生なので試験の時期が同じだったり,講義の辛さに共感し合えるので,食事の時などはなんとなく皆がキッチンに集まって話をします。ドイツ語を聞く,また話す,とてもいいチャンスですし,時間をかけてお互いを知っていけるので,大切にしたい交わりです。

正直,料理は美味しいですか?留学中に太りそう?

基本的においしいです。私は朝昼晩と自分の作ったものを食べていましたが,学生の中には朝,夜は質素に昼は学食ですますという生活をしている学生もいます。
気をつけていればそんなに太る事もないのではないかと思います。

自炊についてアドバイス,おすすめの食材

食材は基本的に安いです。ジャガイモ,ニンジン,タマネギなどは1キロ単位で安く手に入ります。日本食が食べたくなるときがありますが,そういうときはアジアショップで少し高いですが,日本の食材を買って調理しています。

困ったらこの人を訪ねるべき!場所・スタッフ・先生など

生活全般のことで困ったときは,いつも同居人に尋ねていました。授業のことでわからないときは先生にメールをすれば丁寧に答えてくれますし,他の留学生に質問しても助けてくれます。

お気に入りのお店,安い・美味しいご飯,雑貨など

帰国時のことを考え,あまりモノは買わないようにしていましたが,IKEAが郊外にあり,布団カバーなどを買いました。ソーセージとビール,ワインは当たり前ですがおいしいです。ミュンスターの下の朝市ではおいしいものが手に入ります。
スパーはZoのALDI, REWE, Treff, EDKAによく行きます。中心地にあるMIGROSは少し高めですがスイス製のおいしいチーズや刺身なども売っています。
好きなレストランはInselというレストランです。アウグスティーナプラッツにあります。アイリッシュパブも初めのことはよく行きました。

留学中に行くべき,おすすめ観光スポット

私はスイスによく行きました。バーゼルには特に良く行きました。ドイツもかなりいろいろなところに行ったと思いますが,やはりフライブルクが一番好きです。
フライブルク近郊にあるStaufen, Schauinsland, Breisachなどがおすすめです。学生の定期券で行けます。

貯金等のアドバイス(奨学金・金銭状況)

質素な生活をしていれば,月に450ユーロくらいで生活できます。特に授業で遠出をしたり,テキスト等を買ったりしなければ大丈夫だと思います。
夏休みに旅行等をしたかったらお金をためておく必要があると思います。

服装について,暑い・寒い・TPOなど

夏でも日陰は寒いです。着脱が楽な服を持っているといいと思います。
学校に実習にも行きましたが,私服で大丈夫です。みなさん,普段は気楽な格好をしていますが,パーティなどのときはかわいらしい服を着るのでその準備もあるといいと思います。

習慣の違い,マナー,対人関係,犯罪などのトラブルで注意すべきこと

シャワーには朝入る人が多いので,朝トイレに行けなかった事が何度かあります。そういうときは,大学まで走りました。
細かい習慣の違いはありますが,同居人から学んでいくのがいいと思われます。同居人は進んで外国人を受け入れていますので特に親切です。笑顔でいることは大切かと思います。

留学生活中はアルバイトできますか?

私はしていませんが,可能です。
Studentenwerkが学生用にアルバイトを斡旋しているので問い合わせてみてください。

留学先の情報収拾方法(出版物,webサイト)

授業についての情報収拾はシラバスがもらえるのでそこに興味のありそうな授業があれば,担当の先生にメールをすれば丁寧に質問に答えてくれます。
また授業を受講することを決めたらオンライン登録をします。登録が完了するとそこからテキストがダウンロードできます。

図書館は総合大学の図書館と教育大の図書館があり,どちらも利用が可能です。
教育大での授業に必要なものはほとんどが教育大の図書館にあります。どちらとも愛教大の図書館のようにHPで検索できるので控えをもって図書館へいくといいです。大学図書館にはかなり古い本もあり,いろいろな資料を集めることができます。大学図書館には大きなスキャナーがあり無料でデータを保存することができます。

日常生活では他国からの留学生から情報を得る事が多いです。大学の体育館にはスポーツジムがあり,毎日フィットネスなどのプログラムが組まれています。それに留学生の友達と行ったり,パーティに誘われたりします。

大学生活について

留学先おすすめの授業・履修方法

Landeskunde, Märchen ドイツ語ですが留学生用の授業なのでついていけると思います。留学生用のガイダンスに出ていれば自然と履修できます。

Kotthoff先生のSchulpädagogik, Bernhardt先生のGeschichtsdidaktikは教育学を勉強した学生なら面白いと思います。話す速度はかなり早いですし,参加している学生も次々に発言するので聞き取り辛いですが,前もってテキストが与えられ予習ができますし,絵やデータが多いのでわかりやすいです。日本で勉強したことの復習をする感じになると思います。
初回の授業に行き登録する必要があります。

勉強についてのアドバイス

ドイツ語が聞き取れなかったり,思うように話せないことは半年経ってもあります。くじけそうになったり惨めになる時もあります。自分はなぜドイツにいるんだろ?などと思ってしまうこともあるかもしれません。そんな時でも目の前にあるものをこつこつやることが大切だと思います。単語帳を作り,単語を根気よく覚える。テキストはドイツ語の先生が進めてくれるものを使うといいと思います。授業とリンクしていますから。ちなみに私はVerlag Liebaug-DartmannのÜbungsgrammatik für die Grundstufe と Mittelstufeを使っています。辞書は独独辞書をこちらで購入しドイツ語でドイツ語の単語の意味を説明できるように励んでいます。
留学生用の授業以外の授業は予習をしていかないと辛いですが,予習をしているときに新しい単語にであって,何度も忘れては覚えを繰り返しています。辛い時もありますが,理解できたことを大切にしています。

コンピュータ,インターネット使用環境

コンピュータは大学にあるものが使えますが,自分のノートパソコンも大学内でインターネットにつなぐことができます。運が良ければ寮まで電波が届きますが,私の部屋は届かないので月に12,95ユーロ払ってインターネットを使っています。

教職希望の学生は実習の時期をどう調整しましたか。

留学できるかどうかが実習の募集段階でまだわからなかったので希望をだして,留学ができることが決まってから取り消しました。健康診断は受けて行った方がいいです。
留学中の11月に国際交流課を通して教務に連絡を取り次いでもらい,最終的には在学中の友人に書類の受取,記入,提出を依頼しました。

留学先で,どのようにして現地の学生と交流を深めたか?(できる限り具体的に)

寮では私以外は皆,現地の学生でしたので,ご飯を一緒に食べたり,食事に誘ったり,一緒に掃除をしたりして交流を深めました。また授業に参加しているとグループワークをしたり,周りの人と話し合う機会が多いので自然と交流ができます。自分から自己紹介をしないと,なにも意見を言えずに終わってしまうことがあるので,オープンでいることに気をつけました。
そして私は月に2,3回はフライブルクの自由教会に通っています。その教会は若い家族や学生が多く集っているので,そこでは教育大だけでなく総合大学の学生と交流することもあります。毎週木曜日には学生による礼拝が総合大学でもたれていて,そこに寮の同居人と集う事もあります。

どこの国からの留学生がいますか?日本人の留学生はいますか?

フランス,スイス,チェコ,スロバキア,ハンガリー,ポーランド,イタリア,ギリシャ,キプロス,スペイン,コロンビア,ボリビア,アメリカ,カナダ。
日本人の長期留学生が一人いますが,今期のゼメスターで卒業予定。

健康・医療関係

留学時に必要とされた予防接種の種類・回数・費用

特になし。

健康管理あるいは衛生面について特に注意すべきこと

うがい,手洗い。特に冬は乾燥します。部屋のヒーターで喉をいためて以来,加湿器を買って使っています。

留学中に病院へ通った経験の有無,医療費など

今のところないです。

留学前に入った保険

生協の保険。こちらでAOKという学生保険にはいることもできますが,私は入りませんでした。

最後に

留学しようか迷っている,留学先を迷っている学生に一言!

今の時期に留学できる環境が与えられるなら思い切って留学するのがいいと思います。特にドイツに留学するには学生という立場で来た方が何かと優遇されることが多いですし,自力でドイツに来るとなると,ドイツ語力や経済的な問題でなかなか難しいと思います。
このチャンスを是非いかしてください。

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