教科等横断し、協働的に学び合う次世代型プログラムを開発するとともに、教育効果を客観的に検証する評価システムを構築し、学生の資質向上や大学の授業改善につなげます。
「遠隔・オンライン教育」、「ICTを活用した、効果的な学習支援」、「探究的な学習を通じて協働的に学び合う教科等横断学習」について、調査研究を行い、次世代型教科等横断プログラムを開発する。
伊藤 貴啓 | 教育・学生担当理事(全体統括) |
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上原 三十三 | 保健体育講座/教授(リーダー) |
小塚 良孝 | カリキュラム改革・国際交流・未来共創担当/副学長(サブリーダー) |
竹川 慎哉 | 教育科目等改革担当/学長補佐(サブリーダー) |
真島 聖子 | 未来共創プラン担当/学長補佐 |
岩田 吉生 | 特別支援教育講座/教授 |
松井 孝彦 | 外国語教育講座/教授 |
樋口 一成 | 幼児教育講座/教授 |
宮川 貴彦 | 理科教育講座/教授 |
縄田 亮太 | 保健体育講座/准教授 |
西野 雄一郎 | 生活科教育講座/准教授 |
田舎片 麻未 | 音楽教育講座/助教 |
後藤 成美 | 教務企画課/係長 |
柴山 麻衣 | 教務企画課/係員 |
12月18日(水)、愛知教育大学未来共創プラン戦略7教科横断探究プロジェクトが、シンポジウム「才能へのまなざし ―これからの学校、教員養成ができること、すべきこと―」を開催しました。個別最適な学びについての取り組みの深化が全国的に進む中、これからの学校教育、教員養成、教育行政では子どもたちの「才能」に対しどのようなまなざしを向けていくべきか、また、本学における教科横断型学習や探究型学習におけるコーディネート力をどのように育成していくべきかについて、深い知見をお持ちの講師による講演および白熱した対談が交わされ、各参加者にとって気づきの多い時間となりました。学生、大学院生、教職員等41人が参加しました。
小塚良孝副学長(カリキュラム改革・国際交流・未来共創担当)の司会の元、はじめに未来共創プラン戦略7プロジェクトリーダーの上原三十三教授から開会のあいさつがあり、個別最適な学びに焦点を当てた本シンポジウムの趣旨を説明した後、第一部として株式会社SPACE代表取締役CEO/最高情熱責任者の福本理恵氏から「私のパラダイムシフト:ROCKETからSPACE、そして異才から個才へ」と題してご講演いただきました。
講演では、自らの来歴とその時々の立場での教育とのかかわりや、考え方、関心の変遷などについて話され、子どもたちの認知特性や学校教育との関係を踏まえて、具体的にROCKETプロジェクトでどのような取組を行ったか、また、活動の中での子どもの具体的な様子や、時には当時の反省などについても、詳細にお話しいただきました。
これらの経験を元に現在取り組んでいるSPACEの活動について、生徒自身が自らの特性や興味関心等についてアセスメントを行い、自分自身を見つめ、理解していく「自分学」により、より自分に適した環境に調整していく学習の「個性化」についての実証研究や、鎌倉市や名古屋市教育委員会の主催で実施している不登校支援や探究学習に関する事業であるULTLAプログラムなどの事例をご紹介いただき、参加者は熱心に聞き入っていました。
その後、休憩をはさんで福本氏と真島聖子学長補佐(未来共創プラン担当)による対談「個別最適な学びは学校でどこまでできる? どこまですべき?」を行いました。
真島学長補佐から、公教育ではなく、民間事業者として教育に携わることの意義、メリット・デメリットについて提起されると、福本氏からは、意思決定の早さ、トライアンドエラーで迅速な動きができる小回りなど、民間ならではの利点、やりがいなどが挙げられるなど、時間が足りないほどの情熱にあふれた掛け合いに、フロアから大きな拍手が送られました。
最後に、野田敦敬学長から総括として、「個別最適な学び」について、福本氏の取り組みを踏まえ、野田学長が取り組んでこられた総合的な学習の時間における反省や今後の可能性などに触れ、シンポジウムを締めくくりました。
また、その後、福本氏を囲んで懇談会を行い、有志参加者はここぞとばかりに「才能とは?」「公教育の限界?」「探究の題材の選び方は?」など、熱心に質問し、ディスカッションを行いました。福本氏のお話を間近で直接伺う、貴重な機会となりました。
終了後のアンケートでは「公的と私的の対比の中で、それぞれにメリット・デメリットがある中で、社会では両方とも必要な点をこのトークから学べた」「クラスに気になる子が何人もいる中で、その子たちがどのような思いを持ち、どんな個性があるか向き合い、理解しようとする姿勢が大切なのではないかと考えました。「個の最適を追究していくとまったくく別々、バラバラになりそうだけど、工夫次第でそれぞれをリンクさせていけば、1+1=無限なのかなと感じました」などの意見が寄せられ、参加者の心に大きく響くテーマの提起であったことが伺えました。
今後も教科等横断し、協働的に学び合う次世代型プログラムの開発に努めるとともに、学生の資質向上や大学の授業改善につなげることを目指してまいります。
(教務企画課 教育課程係長 後藤成美)
2月18日(日)、愛知教育大学6年一貫教員養成コース・教科横断探究コース、未来共創プラン戦略7教科横断探究プロジェクトの共催で、教科横断探究と親和性の高い高等学校の「総合的な探究の時間」について、現状と課題を整理し、課題解決について現場の実践者や学識者、教科調査官、学生等、さまざまな立場で教育現場にかかわる方々で議論し合う、シンポジウム「どうする!?総探」を開催しました。学内外問わず、現職教員、高校生、大学生、大学院生、大学教員、大学職員ら多様な属性の参加者50人が参加しました。
はじめに野田敦敬学長から開会のあいさつが述べられた後、愛知淑徳大学准教授・文部科学省教科調査官の加藤智氏から「高等学校における総合的な探究の時間の課題と展望」についてご講演をいただきました。
次に、広島県立三原高等学校教諭の清水智貴氏から、「自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題を自ら発見し、解決していく実践事例」についてご講演をいただきました。続いて、早稲田大学教育・総合科学学術院教授の藤井千春氏から「探究の定義と価値、探究活動の評価方法」についてご講演いただき、各講演後には活発な質疑応答が行われました。
その後、参加者は9つのグループに分かれ、「自己の在り方・生き方」「今探究をするとしたら、どのような課題を設定するか」などについてディスカッションを行いました。各グループからの発表では「子ども一人ひとりのテーマ設定、モチベーションをどう保つかが課題である」「レッツトライという意識を持って学校教育でさまざまな人と会って話す経験をつくることができれば良い」といった意見が出されました。
最後に、シンポジストから総括の後、未来共創プラン戦略7教科横断探究プロジェクトのプロジェクトリーダーである上原三十三教授からの閉会のあいさつで本シンポジウムを締めくくりました。
フォーラム後のアンケートでは「理論と実践、両方の視点から探究の時間について考えることができた」「実際に生徒に深い学びや総合的な探究を指導するには、自分自身が在り方、生き方を考えていかなければならないと感じた」などの意見が寄せられ、それぞれの立場で総合的な探究について思索を深める時間になったことが伺えました。
今後も教科等横断し、協働的に学び合う次世代型プログラムの開発に努めるとともに、学生の資質向上や大学の授業改善につなげることを目指してまいります。
(教務企画課 教育課程係 係長 後藤成美)
2月8日(水)、愛知教育大学未来共創プラン戦略7「教科横断探究プロジェクト」の取り組みとして、教育研究創成センターFD開発部門との共催で、全学FD「次代を見据えた魅力ある教員養成プログラムの共創」を本学次世代教育イノベーション棟で開催しました。本学教職員および学生合わせて36人が参加しました。
戦略7「教科横断探究プロジェクト」では、2021年3月に策定された「愛知教育大学未来共創プラン」の一環として、教科等横断し、協働的に学び合う次世代型プログラムを開発するとともに、教育効果を客観的に検証する評価システムを構築し、学生の資質向上や大学の授業改善につなげることを目指しています。
はじめに野田敦敬学長から開会のあいさつが述べられた後、西尾市立佐久島しおさい学校・主幹教諭の江口慎一先生から、「佐久島モデル」の紹介と学級担任として携わった「電気との付き合い方について多面的に考える子どもの育成」について基調提案をいただきました。
次に、学校教育講座竹川慎哉准教授から山梨学院小学校の実践事例、同講座藤本奈美講師から東京学芸大学附属国際中等教育学校の実践事例、保健体育講座縄田亮太准教授から福山市立常石ともに学園の実践事例について調査報告があり、質疑応答が行われました。
その後、参加者はグループに分かれ、教職を目指す大学生段階で育てるべき資質・能力(教員養成プログラム)についてディスカッションするワークショップを行いました。「これからの教員には多様な価値観を受け入れる心が求められる」や「理論と実践を往還できる力が重要ではないか」「好奇心をもって探究する力も必要だと思います」などの意見が挙げられ、最後に本プロジェクトのリーダーである保健体育講座上原三十三教授からの閉会のあいさつで本FDを締めくくりました。
フォーラム後のアンケートでは「学生だけでなく教員間でも話し合いができたことで、自分の中に新たな発見・課題を見出すきっかけとなった」「教科横断といっても自分が教員になったときに何をしたら良いのかイメージしづらいと思っていたが、江口先生の取り組みを聞いて1人の教員から変えられる部分が見えました」(一部抜粋)などの意見が寄せられました。
今後も教科等横断し、協働的に学び合う次世代型プログラムの開発に努めるとともに、学生の資質向上や大学の授業改善につなげることを目指してまいります。
(教務企画課 教育課程係長 後藤成美)
教員と事務職員により構成されたプロジェクト・チームのメンバーで、「教科横断探究の調査・研究の内容検討と学習会を、月1回ペースで行いました。
回 | 日時 | 内容 |
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第1回 | 9月10日(金) | 事業の全体像と事業計画 |
第2回 | 9月30日(木) | 調査研究の内容検討1 |
第3回 | 11月2日(火) | 「教科横断」についての整理 |
第4回 | 12月1日(水) | 調査研究の内容検討2 |
第5回 | 12月28日(水) | 「教科横断 領域横断という概念」、調査研究の分担計画 |
第6回 | 2月3日(木) | 「教科横断」「STEM」「STEAM」の研究状況 |
第7回 | 3月29日(火) | 「教科横断」のビジョン・カリキュラム・実践方法 |
11月5(金)、6年一貫教員養成コースおよび教科横断探究コースの院生・学生が和歌山県の「学校法人 きのくに子どもの村学園」を訪問しました。
本コースは、本学の未来共創プランの戦略7を実現するための実践フィールドです。今回、戦略7に包含される「教科等横断し、協働的に学び合う次世代プログラムを開発する」ための知見を深めることを目的として、当校を見学しました。
きのくに子どもの村学園は、プロジェクトを中心とした学校カリキュラムを行っています。堀真一郎学園長からは、「プロジェクトをよりよいものにすることが最も大切な教材研究」「プロジェクトがよりよいものになるに伴って、教科等の内容を含めたさまざまな学びが生じる」という話がありました。「教科等横断」の在り方についてのご示唆をいただくことができました。
授業見学として、プロジェクト以外の基礎学習(小学校では「かず」や「ことば」、中学校以降は教科)や自由選択(音楽、美術、保健体育の内容を含む)を見学することができました。また、週1回開催される全校ミーティングにも参加することができました。参加する子どもたち一人一人が自分事として議題について話し合い、聞き合う様子を見学することができました。まさに協働的なその雰囲気が、プロジェクトに生かされるのだと実感することができました。
(6年一貫教員養成コース14・15期コーディネーター/生活科教育講座 講師 西野雄一郎)
ICTを活用した効果的な学習支援の実践研究として、2021年6月2日(水)佐久島しおさい学校へ訪問、6月26日(土)子どもたちとアマモ植栽活動に参加、9月6日(月)・7日(火)佐久島しおさい学校で遠隔・オンライン教育の実践を行いました。