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国立大学法人愛知教育大学の平成17年度決算について

2006年9月4日

はじめに

この度、平成17年度決算にかかる国立大学法人愛知教育大学の財務諸表等について、文部科学大臣により承認されましたのでここに公表いたします。

この財務諸表は、国立大学法人とし2年目のものですが、企業会計原則に基づきつつ、教育研究を主たる業務とする大学の特性を踏まえ、国立大学法人特有の会計処理を加味した「国立大学法人会計基準」により作成されております。

財務諸表の概要

  1. 貸借対照表とは、本学の財政状態を明らかにするため、決算日におけるすべての資産、負債及び資本を記載したものです。
  2. 損益計算書とは、本学の運営状況を明らかにするため、一会計期間における本学のすべての費用と収益とを記載したものです。
  3. キャッシュ・フロー計算書とは、本学における資金の調達や運用状況を明らかにするため一会計期間の資金の流れを3つの区分に分けて開示したものです。
  4. 利益の処分に関する書類は、毎事業年度の損益計算において生じた利益を、翌事業年度にどのように引継ぐかを記載したものです。
  5. 国立大学法人等業務実施コスト計算書とは、自己収入等を除き、本学の業務運営に関して国民が負担するコストを明示したものです。

平成17年度財務諸表の特徴

資産

資産の総額は,47,371百万円(対前年比1.3%増)となっており,主な増加の要因は,建物の耐震補強等による固定資産の増と,減価償却等による固定資産の減少により差引0.3%増の46,107百万円,現預金等の流動資産が66.0%増の1,258百万円となっています。

負債

負債の総額は,3,700百万円(対前年比15.4%増)となっており,主な増加の要因は,資産見返負債が6.9%増の2,356百万円,流動負債が前年度実施しなかった新入生授業料前納収納の実施等により47.4%増の1,277百万円などとなっています。

資本

資本の総額は,43,671百万円(対前年比0.3%増)となっており,主な増減の要因は,資本剰余金が施設整備のための国からの財源措置を資本剰余金とすることによる増と,減価に対応する収益の獲得が予定されない固定資産の減価償却を損益外処理とするための減との差引により8.6%増の△405百万円
また,利益剰余金が当期未処分利益及び目的積立金等による383百万円,政府出資金が前年と変わらず43,693百万円となっています。

費用

経常費用の総額は7,604百万円(対前年比0.3%増)となっており,主な増減理由は,人件費を除く業務費(物件費)が老朽施設の改修,新規補助金獲得,受託研究等の外部資金獲得,目的積立金の取崩等により16.0%増の1,490百万円,人件費が人員配置の見直しによる人員削減,退職金の減少等により2.9%減の6,114百万円となっています。

収益

経常収益の総額は7,760百万円(対前年比1.3%減)となっており,主な増減理由は,運営費交付金収益が国からの財源措置の減少等により4.3%減の4,992百万円,授業料収益が授業料改定等により0.7%増の2,119百万円などとなっています。

当期総利益

前述による理由と目的積立金取崩により,当期総利益は166百万円となっています。

総評

この財務諸表によれば、本学の経常収益合計は7,760百万円(対前年比104百万円減)、経常費用合計は7604百万円(対前年比20百万円増)となっており、差し引き当期経常利益は156百万円となっています。この原因は、昨年度に引き続き、本学では厳しく業務を見直し、その効率化を図り、管理経費を節約(光熱水費や通信費など)したこと、また人員配置の見直し等による人件費抑制等により生じたものです。なお、本学の人件費の経常費用に対する割合は、80.4%(昨年度は83.1%)となっており、昨年度に比べ、人件費の割合を大幅に引き下げることが出来ました。

最後に

国立大学法人の運営は利益の獲得を目的としたものではなく、大学の教育研究活動の充実・発展を目的として運営されております。そのため、この当期純利益約1.6億円は、国立大学評価委員会及び文部科学省の経営努力認定を受け次第、「利益の処分に関する書類」に基づき、教育研究環境整備等積立金として、平成18年度以降に使用することとなるものです。

本学が中期目標の達成に向けて教育研究を充実していくためには、何よりも財政基盤を確立していかねばなりません。そのためにも、平成17年度決算の分析を踏まえ、業務の効果的・効率的運営を目指すとともに、外部資金の獲得等に努力し、広く社会の要請に応え、中期目標の達成に向けて努力していく所存です。

愛知教育大学理事
松田 正久 (財務担当)

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