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2020年8月27日・28日 6年一貫コースの学生が佐久島しおさい学校で双方向型オンライン授業を実施しました。

2020年09月04日

8月27日(木)・28日(金),本学の6年一貫教員養成コース(以下,6一コース)の学生が西尾市立佐久島しおさい学校で,双方向型オンライン授業を実施しました。

本学の6一コースは,質の高い教員を養成するために学部4年間と大学院2年間を一貫させた教員養成のコースです。学生は2014年度より「教材開発研究」の授業の一環として,毎年9月に同校を訪問し授業実践を行ってきましたが,今年度は感染症防止のため,一時は見送りを検討していました。しかし,佐久島しおさい学校の先生方のご尽力と,西尾市教育委員会のご理解の下,今回の取り組みが実現しました。西尾市立の学校で,児童生徒が一人一台のタブレット端末を使用して双方向型オンライン授業を実施するのは,今回が初めてとなります。

授業をする原田さん 授業をする原田さん

1日目は,しおさい学校の中学生5人を対象に,情報モラルの授業を行いました。授業者は,中等教育教員養成課程 情報専攻3年の原田 瑛公(はらだ えいこう)さん,補助者は,大学院教育学研究科 発達教育科学専攻 教育学領域2年の松田 惇(まつだ すなお)さんです。授業は,Zoom(ビデオ・Web会議アプリケーション)とロイロノート(授業支援アプリケーション)を活用して実施されました。

授業では,「日本全国ではどのくらいの人がSNSを使っているでしょうか」という発問から始まりました。最も普及している"LINE"は,利用人口が8,000万人を超え,3人に2人が利用している計算になります。生徒たちは,その利用人口の多さに驚いていました。その後,SNSの投稿例をいくつか提示し,「もし自分ならこの投稿をしても問題ないと思う順に並び替える」というワークを行いました。生徒たちは,ワークを通し,自分ならどうするかという視点で考え,投稿の問題点について意見を交わしました。

授業者の原田さんは,生徒たちの発言を元に,SNSの特性として,「全世界の人に見られる可能性がある」,「個人が特定される可能性がある」,「一度掲載したら永久に残る可能性がある」ことを伝えました。生徒たちは,身近に存在するSNSの危険性について,真剣に考えていました。

原田さんは,「まだ教育実習にも行っていないため,今回が初めての授業でした。今日のために何度も模擬授業を重ねてきました」とコメント。苦労した点を尋ねたところ,「生徒の発言が聞き取りづらい場面があったことです」と答えてくれました。この秋に教育実習に行く予定とのことで,今回の経験を生かしたいと意気込みを語りました。

生徒の発表意見をまとめる様子 生徒の発表意見をまとめる様子

補助者の松田さんは,画面の切り替えや,ロイロノートを用いて,生徒たちの発言を文字に起こし,わかりやすく表示するという裏方の仕事を担当しました。「初めてオンラインで授業を行い,不慣れな点もありましたが,概ね上手くいってよかったです」とコメント。苦労した点については,「目の前に子どもがいないので,反応がわかりにくかったことです」と答えてくれました。

授業の様子(愛教大側) 授業の様子(愛教大側)

2日目はしおさい学校の小学3年生2人,4年生3人を対象とする社会科のスーパーマーケットを題材にした授業が行われました。子どもたちは既に島の商店について「お客さんのため」という視点で学習しており,今回は愛教大の学生から陸のスーパーマーケットの特徴を学びます。学生がメインになって授業を行った1日目とは異なり,2日目はしおさい学校の先生がメインの授業に学生がゲストティーチャーとして参加します。

授業を担当したのは,前半は中等教育教員養成課程 情報専攻3年の三輪 理人(みわ りひと)さん,後半は1日目に補助者を務めた松田 惇さんです。大学の近所のスーパーマーケットを自分たちで取材して作成した動画を使用し,店が行っているさまざまな取り組みについて「お客さんにどんなよいことがある?」とクイズ形式で子どもたちに問いかけました。

授業をする三輪さん授業をする三輪さん

授業をする松田さん授業をする松田さん

1問目はスーパーマーケット内の商品の配置がどうしてそのようになっているか,お客さんにとってどんな利点があるのかを問いかける問題でした。最初は緊張気味の子どもたちでしたが,回答の選択肢に手を挙げてもらったり,先生も一緒になって手を挙げてくださったりしているうちに,リラックスした楽しい雰囲気となりました。子どもたちは学生が作った動画を一生懸命見て,引き続き「セルフレジ」や「カート置き場」などの工夫について考え,最後は先生の声かけで,授業で分かった新しいことをノートに書きました。

今回の授業に,担当した三輪さんは「動画やクイズはメールやZoomなどでしおさい学校の先生とやりとりしながら作成しました。授業は緊張しました。終わってほっとしています」,松田さんは「このコースでは学生でも授業を行ったり,このような新しい経験をしたりすることができます。今回は子どもたちがまだ勉強していないことを少しでも学べるようにと思って行いました」と話しました。

6一コースのコーディネーターを務める,保健体育講座の上原 三十三教授は,「佐久島では,これまで実習をさせていただきお世話になってきました。今後は,『佐久島しおさい学校の先生方』・『学生』・『大学の教員』が三位一体となり,3者で新しい授業づくりの実践をしていけたらと考えています」と展望を語りました。コロナ禍により対面授業ができなくなったことが発端の双方向型オンライン授業でしたが,新しい形の授業実践が成功し,その可能性を感じた2日間となりました。

(企画課 評価係 主任 河尻 直
広報課 副課長 古田紀子)

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