2020年10月14日 附属図書館で本の読み方ワークショップ「あらましメソッドONLINE」を実施しました。
2020年10月23日
10月14日(水),附属図書館で,俯瞰的に本を見るワークショップ「あらましメソッドONLINE」を実施しました。
「あらまし読み」とは,国語教育講座 非常勤講師の牧恵子先生が2013年から開発している,本の読みの方法です。一般的に読書の目的には,娯楽を求めるため,情報を得るため,教養を深めるためと大きく分けられますが,牧先生は,大学生に必要な「情報」を獲得するための読む力をつけようと「あらまし読み」を提案しています。これは文学作品を読むときに行う,1ページ目から順に最後まで読んでいく「通読」ではなく,本全体の概要を「俯瞰的」に見通すことから始める方法です。60分程度の短い時間に集中的に一部分を読みながら,内容を箇条書きして,情報を視覚化する整理マップを描きます。また,独りだけの読書になることを防ぐため,参加者間で1分間ほどの対話を行います。読書時間がゼロの大学生が47.9%(CRUMP東京大学大学院教育学研究科大学経営・政策センター2019)という活字離れが進む中,多忙な大学生にも効率的な読書をしてもらいたい,という思いからこのメソッドは生まれました。
ワークショップはZoomで行われ,最初に牧先生より「あらまし読み」の概要について説明がありました。その後,参加者は5分,10分の区切りのなかで表紙,目次や帯,序章,さらに一番読んでみたい章へと読み進みました。参加者は各自が選んだ新書を短時間で集中して読み,事前に印刷した「あらまし読みシート」を使って,重要な語句を抽出し,内容を3行に要約し,情報の視覚化のための整理マップを作成するという「書く」活動を行いました。「6割の出来でいいんです」という牧先生の言葉に,参加者もリラックスして作成しているようでした。最後に,2人ずつのグループに分かれ,どんなことが書いてあったかについて伝え合い,互いにコメントを交換しました。
ワークショップの参加者は,「高校までは,読書法など考えたこともなく,ただ読んでいくだけでしたが,あらましメソッドを学び,読書を工夫することを覚えました。自分だけの読書法の開発が目標です。オンラインでのあらまし読みがなければ,読書の意欲が湧いてこなかったと思います。この機会を頂き,本当にありがたいです」と感想を述べています。
「あらましメソッドONLINE」は,今後,11月に実施される全国規模の図書館イベントである「図書館総合展_ONLINE」に本学附属図書館の協力で出展する予定であるほか,12月以降も継続予定とのことです。牧先生は「愛教大生だけでなく日本各地からご参加ください。このZoomでの出会いを求めて,さまざまなジャンルの新書などを読むきっかけにしていただければうれしいです」と話しています。
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(広報課 副課長 古田紀子)