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2020年10月28日 全学FD講演会「SDGsセミナー 『ESD/SDGsに教員養成大学が取り組む意義』」を開催しました。

2020年11月12日

講演する市瀬先生 講演する市瀬先生

10月28日(水),宮城教育大学の市瀬智紀教授を講師として招き,全学FD講演会「SDGsセミナー ESD/SDGsに教員養成大学が取り組む意義」を開催しました。

国連は2030年までの達成目標「SDGs誰も取り残さない」を掲げ,持続可能な社会の構築を目指しています。本学は大学,附属学校とも国内のESDの推進拠点であるユネスコスクールとして登録されており,2012年からは愛知県内のユネスコスクール支援大学間ネットワークに加盟して,県内のユネスコスクール活動を支援する役割を担っています。今回の講演会は,新しい学習指導要領に「持続可能な社会の担い手」となることが明記され,教科書にも記載される中,教員養成大学としてどういう役割を果たしていくべきかの認識を深めるために,SDGsの第一人者である市瀬先生をお招きしたものです。対面,オンラインをあわせて119人が参加し,このテーマに対する関心の高さがうかがえました。

講演会場の様子 講演会場の様子

講演で,市瀬先生は,まず「持続可能な開発」の定義に関して,2019年にグレタ・トゥーンベリさんが国連のサミットで行った,現役世代が資源をむさぼり次世代に伝えられないことを批判したスピーチを引用し,「環境資源の有限性」と「次世代への公平性」の説明をされました。そして,ESDとSDGsの考え方が世界や日本でどのように広まっていったかについて解説されました。現在,SDGsは多くの教科書で取り上げられており,大学入試でも,教科に分断された知識ではなく,主体的に諸課題に取り組む力を評価する出題が行われたり,高校の課題研究がSDGsの枠組みを使って実施されたりと,SDGsが学校・大学教育に浸透していっていることが示されました。しかし,長年のESDの取り組みの成果は「地域や生徒同士のつながり」や「コミュニケーション」として表れているものの,それが本来の目的である世の中や社会の変革にはつながっておらず,2019年に国連で採択された「ESD for 2030」では行動レベルでの変革を促す必要性が提示されていることが課題として説明されました。

ESD/SDGsのこれまでの経緯から,現状,そして課題までを丁寧に分かりやすくご説明いただき,理解が深まった有意義な講演会となりました。

(広報課 副課長 古田紀子)

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