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2021年2月15日 全学FD集会「私のオンライン授業・オンデマンド授業」事例紹介を行いました。

2021年02月22日

2月15日(月),教職キャリアセンター主催の全学FD集会「私のオンライン授業・オンデマンド授業」事例紹介を実施し,オンライン参加を含めて45人の教職員が参加しました。

今年度前期は,本学も他の大学同様,新型コロナウイルス感染症の影響で,原則遠隔授業となり,学生・教員・職員全員がはじめての経験に試行錯誤しながらの実施となりました。コロナ禍のこの状況は未だ終息の見通しが立たず,今後も工夫をしながら授業を行う必要があります。このFD集会は,本学の教員が行ったオンライン授業・オンデマンド授業の好事例を紹介することで,今後の授業実施のアイデアを共有するために企画されました。

成瀬麻美講師 成瀬麻美講師

まず,リアルタイム型のオンライン授業の事例として,保健体育講座の成瀬麻美講師より「初等体育科教育内容AII」が紹介されました。この科目は1年生68人を対象とし,小学校の体育授業に関する指導法を学ぶ内容となっており,表現運動を取り上げ発表されました。コロナ禍の中,成瀬講師は学生の学びを深めるためにZoomを用いた授業を選択しました。自身も初めて利用するZoomで,不安の中で始めた授業でしたが,「結論としては,やってよかった」と成瀬講師は話しました。音と動きにタイムラグがあったり,生徒同士の身体的なコンタクトができなかったりと,対面でしかできないこともありましたが,一度にすべての学生の動きを把握し,フィードバックできるなど,対面以上にできたこともありました。また学生にとっても,対面では感じる恥ずかしさがなく自分のペースで動けたり,動画で復習したりできるメリットがありました。学生のアンケートでは,「孤独感を感じなかった」「オンラインならではの楽しさがあった」という感想が寄せられました。また,この授業自体が成功しただけでなく,自身のオンライン授業の経験を,学校現場で体育の授業に困っている先生方へ還元できた,という広がりも生まれたそうです。

阿部亮吾准教授 阿部亮吾准教授

次に,オンデマンド授業の事例として,社会科教育講座の阿部亮吾准教授から「地理学基礎I」が紹介されました。この科目は1年生115人を対象とした地理学の入門科目で,オンデマンド教材による講義と実際に講義で学んだ内容を現地で確認するフィールドワークから構成されています。阿部准教授は,オンデマンド教材として地図などのビジュアルな資料をふんだんに使ったパワーポイント資料を準備しました。パワーポイントで作成した動画資料には,阿部准教授自身がワイプで出演し,音声だけでなくジェスチャーを交えながら解説を行いました。自身がワイプに顔を出したことは,「先生に見られている感じがして,緊張感をもって聞くことができた」と学生にも好評だったそうですが,慣れないうちは動画作成に大変苦労し,1回(90分間)の動画を作成するのに何度も撮り直して3日かかってしまい,毎日同じ服装,髪型,カメラ角度にして撮影したそうです。このほかにも,オンデマンド授業の効果をあげるため,穴埋め式プリントを作成して,学生が動画を見ながら作業できるようにしたこと,学生がメールで提出する課題や質問・感想には必ず返事を書き,間違いや着目点を指摘したことが紹介されました。また動画では,授業で話したことが本当にそうなっているかを現地に行って確認するように,というメッセージを学生に向けて添えました。これらの結果,学生アンケートでは「自分で問題点を深く考えた。さらにその考えに基づき行動した」「新たな思考を展開した。さらにその思考に基づき行動した」のスコアがいずれも90%近くという結果となりました。

2件の事例紹介を受け,最後にFD部門代表の森勇示教授は「2つの授業の共通点は教員自身が楽しんで行っていること,内容が充実していることだと思います。学校現場でよく言われることですが,『良い授業とは,準備がよくできた授業だ』ということを感じました」と閉会のあいさつを述べました。森教授の言葉どおり,どちらの事例も周到に準備されており,今後の授業のヒントとなる有意義なFD集会となりました。

(広報課 副課長 古田紀子)

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