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2022年2月9日 「第3回指導者用・学習者用デジタル教科書研修会」を開催

2022年03月03日

2月9日(水)に、本部棟第五会議室にて、「教師の養成・採用・研修の一体的改革推進事業」の一環として「第3回指導者用・学習者用デジタル教科書研修会」を教育出版株式会社との共催で開催し、25人(学生19人、教職員6人)が参加しました。

今回の研修会は、本学と教育出版株式会社との間で締結された相互連携に関する協定に基づいて開催したもので、デジタル教科書の特性や意義等についてより深く学ぶために、教育出版株式会社の東京本社と中部支社の4人の講師により、デジタル教科書の演示や、参加者が持参したノート型パソコンを使用したデジタル教科書の体験を行いました。

ICT活用の重要性について説明する新津勝二理事 ICT活用の重要性について説明する
新津勝二理事

はじめに、総務・財務担当の新津勝二理事から開会のあいさつが行われ、GIGAスクール構想の現状と現場でのデジタル化対応について紹介がありました。また、本学の「教師の養成、採用、研修に関する一体的改革推進事業」における、ICT活用指導力を育成する4年間のモデルカリキュラムの構築や、ICTに特化した科目の開発、作成した講義映像やモジュール化した教材の全国展開等について説明がありました。その上で、教科書会社を含む企業との共同研究を進めていくことも示されました。

デジタル教科書を取り巻く情勢について説明する岡本章宏氏 デジタル教科書を取り巻く情勢について説明する
岡本章宏氏

続いて、教育出版株式会社東京本社教育ICT事業局⾧の岡本章宏氏から、デジタル教科書を取り巻く情勢について、日本の国際的競争力の低下や、デジタル化の遅れの実態、Society 5.0の実現に向けて教育分野としてGIGAスクール構想の推進が位置づけられていることなどについて説明がありました。また、教科書は主たる教材としての使用義務があり、一部を学習者用デジタル教科書で代用できる法改正が行われたことや、著作物を教科書やデジタル教科書に掲載するための著作権者への補償金制度が法整備されていることなどについて紹介がありました。

小学校国語のデジタル教科書の活用について説明する嶋田哲人氏 小学校国語のデジタル教科書の活用について
説明する嶋田哲人氏

次に、教育出版株式会社中部支社の嶋田哲人氏から、小学校国語のデジタル教科書の活用についてお話があり、拡大縮小やペンによる書き込みの方法、また、朗読や観点別に色付けできる国語マーカー、挿入された動画コンテンツ等の便利な機能について説明がありました。参加者は持参したノート型パソコンを使用して、実際に操作体験を行いました。このほか、協働学習支援ツールを用いて、児童とデジタル教科書を共有して授業を行う協働学習の事例紹介がありました。

中学校国語のデジタル教科書の活用について説明する磯田悠介氏 中学校国語のデジタル教科書の活用について
説明する磯田悠介氏

次に、教育出版株式会社中部支社の磯田悠介氏から、中学校国語のデジタル教科書の活用について説明があり、筆者からの教材への想いや考え等をまとめたメッセージ動画や、グループ活動のモデルケースの動画のコンテンツ等が紹介されました。また、「特徴のある学びのチャレンジ」という、生徒が問題形式で取り組み解説動画を視聴することができる補助教材や、絵コンテが動画で見られるメディアリテラシー教材、このほか総ルビ機能や、弱視の生徒のための白黒反転機能、複数クラスの授業を担当する際に各授業進度を保存できる機能等についての説明がありました。最後に、先生がデジタル教科書を使用して行った授業の実践例についての紹介がありました。

ここまでの総括として、国語教育講座の丹藤博文教授から「デジタル教科書を良いところも悪いところも含めてしっかりと理解することが大事なことであり、今日は最先端のいろいろなことが聞けてよかったと思いました」とお話があり、続いて、同講座の砂川誠司講師から「デジタル教科書を使うことで子どもの読みの経験が変わっていき、国語の授業がだいぶ変わってしまうかもしれない中で、それに対応して何ができるかをこれから考えていかなければいけないと思いました」とのお話がありました。

国語のデジタル教科書について総括する丹藤博文教授国語のデジタル教科書について総括する
丹藤博文教授

国語のデジタル教科書について総括する砂川誠司講師国語のデジタル教科書について総括する
砂川誠司講師

小学校書写のデジタル教科書の活用について説明する高橋翔氏 小学校書写のデジタル教科書の活用について
説明する高橋翔氏

後半では、教育出版株式会社中部支社の高橋翔氏から、小学校書写のデジタル教科書の活用について説明があり、書くときの姿勢や筆の持ち方についての動画や、毛筆教材の運筆動画について全体像を映したものや穂先の動きに焦点を当てたものなどのポイントを提示した動画、さらには、伝統文化の調べ学習にも生かすことができるような紙・硯・筆・墨が出来上がるまでの動画等、多様なコンテンツの紹介がありました。また、文字のバランスを考えさせるシミュレーション機能や、部首が同じ漢字を選び出すといったクイズ要素を含んだマスク機能について説明がありました。

書道のデジタル教科書の総括として、国語教育講座の衣川彰人教授から「デジタル教科書を子どもたちが実際に自分のタブレットの中で繰り返し確認できるようになっていけば、自分の不得意なところをさらに確認することもできます。今後、実際授業の中にもデジタル教科書を取り入れながら皆さんと共有していきたいと思っています」とのお話がありました。

書写のデジタル教科書について総括する衣川彰人教授書写のデジタル教科書について総括する
衣川彰人教授

研修会の様子研修会の様子

新津勝二理事による閉会のあいさつが行われ、「デジタル教科書は授業支援ソフトとの連携などたくさんの課題も残されており、教員養成系大学として来年度以降教科書会社と連携をして共同研究を行い、その際には大学の先生方はもちろんこれから教師を目指す大学生の皆さんにもぜひその共同研究にもかかわっていただいて、若い方の意見も取り入れてより良いデジタル教科書が更新されればいいなと考えています」との感想が述べられました。

研修会終了後のアンケートでは、参加者から「出版社の方による、使い方、機能の説明が丁寧で、大変よく分かりました。国語教育の先生方のお話を伺うことで、使用に関して多面的視点で捉えることができ、とても勉強になりました」「デジタル教科書に実際に触れることで、指導者としてのビジョンが明確になりました」「デジタル教科書はここまで便利になってきているのだと感動しました」という感想が寄せられ、体験型研修会の有効性が現れた結果となりました。

(教務企画課 教職キャリアセンター支援係)

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