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2023年10月 附属図書館が『愛知教育大学「明倫堂文庫」』のウェブサイトを開設

2023年10月26日

sdgs17

本学附属図書館では、前身である愛知県師範学校時代から受け継いだ和漢書を所蔵しています。この中には、尾張藩の藩校「明倫堂(めいりんどう)」の蔵書であった和漢書も多数含まれています。このたび、本学が所蔵する明倫堂関連図書一覧と明倫堂蔵書の復元リスト、文庫の概要を紹介する「愛知教育大学『明倫堂文庫』」のウェブサイトを開設しました。

明倫堂蔵書は明治4年藩校廃止ののち、文部省の命により東京書籍館(今の国立国会図書館)や愛知師範学校(官立、明治10年廃止)に渡ったもの、民間に払い下げられたもの等さまざまな経緯をたどっており、これまでその全体像を知ることができませんでした。そこで附属図書館では、現存する藩校当時の蔵書目録(以下「蔵書目録」)10点と関係する行政文書等の諸資料、学内外所在を問わず明倫堂旧蔵書と確認できる図書とを突き合わせ、蔵書の復元を試みました。

この調査で、本学蔵書は、質的には蔵書目録収載書の半数程度を占めることが分かりました。また、蔵書目録が作成された以降に収書された図書や、明倫堂の後継である名古屋藩学校の蔵書などを含む貴重な資料であることが明らかになりました。さらに、明倫堂では「千字文」(※)の順を用いた蔵書管理が行われており、これが蔵書形成の過程を知る手掛かりとなることなども判明しました。このことは、概要としてまとめ、サイトに掲載しています。

サイトは今後も新しい情報を加え、活用しやすいものとなるよう更新を行う予定です。また、サイト開設を記念した展示「愛知教育大学『明倫堂文庫』」を12月1日(金)から27日(水)まで、館内2階の日本文教出版Atelier Nichibun(多目的スペース)にて開催します。実際の書物を、解説とともにご紹介します。

本学が所蔵する和漢書はその多さゆえ、整理作業は道半ばですが、明倫堂関連図書の整理に一定のめどがついたため、大学創基150周年の節目の今年、サイトを開設しました。本学「明倫堂文庫」は、地域の教育の歴史を今に伝える貴重な資料群であるとともに、大学史においても、愛知県師範学校蔵書の始まりとなり、伝統を物語る存在です。今回の整備を第一歩として、温故知新、未来の教育・研究に活用されることを願います。

※中国、梁の武帝の命により、1000の漢字を四字句からなる韻文に編んだもの。同じ漢字を二度用いることがない。(小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』JapanKnowledge Libより抜粋)

名古屋藩学校蔵書印。画面上中央が印記「名古屋藩学校之印」。左は「愛知県第一師範学校図書之印」。見返し中央は「愛知第一師範学校図書之印」名古屋藩学校蔵書印。画面上中央が印記「名古屋藩学校之印」。左は「愛知県第一師範学校図書之印」。見返し中央は「愛知第一師範学校図書之印」

名古屋藩学校蔵書印。画面上中央が印記「名古屋藩学校之印」。明倫堂の蔵書印が押された図書の表紙。右下に千字文による漢字「黎」が記載されており、同名の「筥(はこ)」に収納されていたと考えられる。明倫堂の蔵書印が押された図書の表紙。右下に千字文による漢字「黎」が記載されており、同名の「筥(はこ)」に収納されていたと考えられる。

明倫堂蔵書印。右上は印記「明倫堂図書」、右下は印記「愛知第一師範学校図書之印」。上部に「男子部」とあり。明倫堂蔵書印。右上は印記「明倫堂図書」、右下は印記「愛知第一師範学校図書之印」。上部に「男子部」とあり。

(学術研究支援課 図書館運営室 目録情報係)

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