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2023年12月9日、23日に日本語教育支援センターワークショップを開催しました。

2024年01月12日

sdgs17

12月9日(土)、23日(土)に愛知教育大学で日本語教育支援センターワークショップを開催しました。このワークショップは、日本語教育にかかわる学校教員等の方々が、講師の助言を受けながら「やってみる+考えてみる」を通して実践力を高めることを目指すものです。きめ細やかな指導のため、少人数での実施としましたが、県内外から定員いっぱいの参加者が訪れました。

築樋博子先生築樋博子先生

9日(土)は講座1・2を実施しました。講座1は豊橋市教育委員会の築樋博子先生が講師を務め、「個別の指導計画を立てよう」のテーマで実施しました。現在の制度では「特別の教育課程」を編成して日本語能力に応じた特別の指導を行うためには「個別の指導計画」の作成が必要になっています。この計画は日々の授業をよりよくするため、また、転校や高校進学した際に適切な指導を早期に進めるために重要な計画となります。築樋先生は、日本語の力の判断方法や児童の発達段階等に応じた指導計画の立て方、年間指導計画の立て方について説明を行いました。その後、参加者それぞれが具体的な指導の計画を考え、グループで共有し発表を行いました。

講座2は京都市教育委員会の大菅佐妃子先生が講師を務め、「JSLカリキュラムの授業を作ろう」のテーマで実施しました。JSLカリキュラムは日本語で学習活動に参加する「日本語で学ぶ力」を育成するためのカリキュラムです。大菅先生はJSLカリキュラムの授業を作るにあたって、児童の既習内容の現状把握、少し頑張ったら達成できる日本語の目標の設定、児童が自分で活動できるような支援の工夫などについて解説しました。その後、参加者は日本語指導で「社会科(歴史分野)」の先行学習を1時間行うこととなったという設定で、先行学習の目標と、目標を達成するための学習活動を考えるワークをグループで行いました。ワーク後、考えた学習活動をそれぞれのグループから発表しました。

大菅佐妃子先生大菅佐妃子先生

ワークする参加者ワークする参加者

櫻井千穂先生櫻井千穂先生

23日(土)は講座3・4を実施しました。講座3は大阪大学の櫻井千穂先生が講師を務め、「やってみよう!DLA」のテーマで実施しました。講座の前半は、DLA(児童生徒の日本語の能力を把握し、 その後の指導方針を検討する際の参考となる日本語能力測定方法)を行う意味について、支援を得てできる活動を見極めるためだと解説がありました。後半は、実践編として参加者が講師の櫻井先生が行ったDLAの動画を視聴し、動画に登場する児童生徒の読む力が評価指標のどのステージであるかをグループで話し合いました。

ワークショップの最後に、本学日本語教育支援センター委員の菅原雅枝准教授から「日本語教育支援は子どもたちの血や肉になって初めて意味をなすことで料理を作っただけでは自己満足でしかない」といったまとめがあったとおり、DLAは、評価することが目的でなく一人でできるようになるためにいかに支援すべきなのか、教えるではなく子どもの可能性を広げ育てるものということがよく理解できる講座でした。

アドバイスする藤川美穂先生アドバイスする藤川美穂先生

講座4は横浜市立南吉田小学校の藤川美穂先生が講師を務め、「日本語初期指導の授業を考えよう」のテーマで実施しました。はじめにうまくいかなかった授業の動画を確認し、なぜうまくいかなかったのかをグループで考えた後に、意味のある活動とするための教材選びなどについて解説がありました。その後、理科の教科書で日本語基礎の文型と表現を定着させるための日本語初期指導の内容と活動を考えるというテーマで、グループワークと発表を行い、その内容を全体で共有しました。参加者は、「日本語初期指導で教科書を使うという発想がなかった。他の人のアイデアが参考になった」と対面研修の良さを実感しました。

講座後のアンケートでは、どの講座においても今回の研修が自身の学習ニーズにあっていたという回答ばかりで非常に満足度の高い研修となりました。

(地域連携課 課長 古田 紀子/地域連携課 地域連携係 係長 松本典江)

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