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2020年12月13日 外国人児童生徒支援リソースルームシンポジウム「日本の社会に暮らすブラジルの子どもたちの明るい未来を目指して~『ブラジルから見た日本』という視点を取り入れて~」を開催

2021年01月14日

12月13日(日),第二共通棟411教室にて,外国人児童生徒支援リソースルームシンポジウム「日本の社会に暮らすブラジルの子どもたちの明るい未来を目指して~『ブラジルから見た日本』という視点を取り入れて~」を開催し,教育関係者,本学教職員および学生など約60人が参加しました。

あいさつをする野田敦敬学長 あいさつをする野田敦敬学長

開会にあたり,野田敦敬学長から「令和2年4月に開設した日本語教育支援センターは,中部地区の外国人児童生徒支援の中核を担っていきたいと考えています。このシンポジウムを通して,より相互理解が深まり,さまざまな立場の方々が互恵的な関係になることを願います」とあいさつがありました。

ネイ フトゥロ ビテンクール総領事の発表を聞く参加者
ネイ フトゥロ ビテンクール総領事の発表を
聞く参加者

前半は,まず始めに,在名古屋ブラジル総領事館総領事のネイ フトゥロ ビテンクール氏から「在日ブラジル人学生の現状の全体像について」をテーマに発表いただきました。総領事に直接質問できる貴重な機会とあって,在日ブラジル人の子どもが本国へ帰国した場合の教育のつなぎに関する質問や,地域社会と学校およびブラジル人社会の連携に関する質問などがあり,丁寧にお答えいただきました。

次に,マンゴープロジェクト キャリアアップ/学校コーディネーターの川野オチラ氏から「日本の義務教育を受けるブラジル人学生について」をテーマに発表いただきました。半田市教育委員会の語学相談員としてのご経験を基に,日本の学校で学ぶ外国にルーツを持つ子どもたちのコミュニケーションの問題やアイデンティティの問題,中学卒業後の進路に関する問題などについてお話しいただきました。今後の日本社会を支えていくために,学校現場と家庭,市役所,領事館,大学などさまざまな立場からかかわり連携することが必要であり,少しずつさまざまなかかわりのループを作って支援を続けていくことが重要であるとお話がありました。

後半は,まず,ブラジル人学校エスコーラ・ネクターの山家ヤスエ氏から「ブラジル人学校に通うブラジル人学生について」の発表がありました。ブラジル人学校の現状に関する説明のほか,ダブルリミテッドの問題にどう対応していくべきかなどについてお話しいただきました。外国人学校でも道は切り開ける,それぞれの子どもを中心にとらえ,どう支援していくのがふさわしいか,その子なりのプロセスを大切にすべきであるとのお話が印象的でした。

次に,在名古屋ブラジル総領事館副領事のエリーザ マイア氏から「ブラジルにおける学校教育について」の発表があり,さまざまな文化や宗教,歴史的背景などが混ざり合って成り立っているブラジルならではの学校教育現場の様子や,多文化共生意識を醸成することの大切さなどについてお話しいただきました。

本学学生の中山なつみさん 本学学生の中山なつみさん

続いて,本学教育学部初等教育教員養成課程理科選修の中山なつみさんが,「外国にルーツを持つ子どもたちへのボランティアに参加して」をテーマに発表しました。土曜親子日本語教室や放課後学習支援などに参加した経験から感じた問題点などについて,実際に直面した事例を基に,ボランティア学生の視点で考察や感想を述べました。

最後に,日本語教育支援センターの杉浦慶一郎センター長から閉会のあいさつがあり,シンポジウムを終えました。シンポジウム終了後は,希望者によるリソースルームの見学が行われ,参加者からは,「日本の義務教育を受けるブラジル人の実態や,ブラジル人学校の取り組みを知ることができてよかった」「自分の学校にいる子どもたちへどんなことができるか考えたい」などの感想があり,実り多いシンポジウムとなりました。

(地域連携課 地域連携係長 神谷知穂)

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