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時衛国教授が日本翻訳家協会の翻訳特別賞を受賞しました。

2017年11月07日

時衛国教授 時衛国教授

日本語教育講座の時衛国教授がNPO法人日本翻訳家協会の翻訳特別賞を受賞し,授賞式が10月20日(金)に東京学士会館にて実施されました。受賞の対象となった作品は時教授が中国語に翻訳した青島出版集団刊行の『立原正秋選集』(六巻)および『渡辺淳一選集』(八巻)です。この賞は日本翻訳文化賞にはならなかったものの,特に優秀だった作品に対して与えられる賞です。主に日本人が受賞する賞であることから,時教授にとっては大変難しい賞であったといいます。

時教授が翻訳された渡辺淳一氏は,中国では村上春樹氏とならんで人気の高い作家です。日本では『失楽園』などの小説家の印象が強いですが,氏のエッセイも日本人の文化の視点を示す鋭い洞察で,中国では高く評価されています。審査員からも今回の賞の審査で改めて渡辺氏の価値を再認識した,という意見がありました。

立原正秋氏の著作については,時教授が日本に留学して,さまざまな書物を乱読している際に出会い,日本の文学の伝統を守っている作家だと感じ,翻訳を始めたものです。立原正秋氏も中国で人気のある作家として読まれています。

翻訳書の数々 翻訳書の数々

時教授は東京都立大学の博士号(文学)と大東文化大学の博士号(言語文化学)を持つ研究者であり,翻訳だけでなく,中国語と日本語の程度副詞の対照研究でも「中日対照言語学賞著作賞」(カシオ学術賞)や「公益信託田島毓堂語彙研究基金学術賞」(田島毓堂賞)を受賞しており,その業績が評価されています。この研究も続けながら,文芸も発展させないといけない,と時教授は話します。今後は渡辺淳一氏の著作をさらに翻訳することが予定されています。また将来の抱負としては,有島武郎や伊藤左千夫などの近代作家の小説について,日本語文の後ろに中国語訳をつける日中対照の形で翻訳し,中国の大学の日本語専攻学生の教材になるようなものを作って,若手翻訳者の育成にも尽力していきたいとのことです。

(広報・地域連携課 広報・渉外係長 古田紀子)

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