Aichi University of Education

HOME > News & Topics > 2019年一覧 > 2019年03月掲載分 > 2019年2月21日 「発達障害の可能性のある児童生徒等に対する教科指導法研究事業」成果報告会を開催

2019年2月21日 「発達障害の可能性のある児童生徒等に対する教科指導法研究事業」成果報告会を開催

2019年03月22日

成果報告会の様子 成果報告会の様子

2月21日(木),本部棟第一会議室において,「通常学級における学習上の困難さに着目した教科指導のあり方~発達障害の可能性のある児童生徒等に学ぶ」と題し,文部科学省受託「発達障害の可能性のある児童生徒等に対する教科指導法研究事業」成果報告会を開催しました。本学学生・教職員,愛知県内小中学校教員など125人が参加しました。

成果報告会では,東北福祉大学 樋口一宗 教授による講演および事業の経過報告を行いました。講演で,樋口一宗教授は,複数の障害が重なって現れることもあり周囲から理解されにくい障害である「発達障害」の基本的なとらえ方を,代表的な困難さを紹介しながら解説しました。また,各教科の指導に当たって,学習場面での情報の入力・反応の出力におけるバリアを除去するという「合理的配慮の提供」の考え方をもとに,学習上の困難さだけでなく,バリアになっているものを的確に把握し,指導上の工夫の意図を理解することで個に応じたさまざまな手立てを検討しながら指導に当たることの大切さを強調しました。さらに,新しい学習指導要領に掲げられた,自分の良さや可能性を認識し,あらゆる他者を価値のある存在として尊重し,多様な人々と協働することの重要性にも触れ,発達障害の可能性のある子どもたちと共に学ぶ理由を紹介しました。

成果報告会の様子 成果報告会の様子

事業の経過報告では,教職キャリアセンター教科教育学研究部門の山田篤史部門長(数学教育講座 教授)および真島聖子准教授(社会科教育講座)から,2018年度受託「発達障害の可能性のある児童生徒等に対する教科指導法研究事業」について,事業の趣旨,現在作成中のパンフレット教材,今後の授業での活用予定などについて報告がありました。山田部門長からは,「大学の教員養成課程における教授法の開発」を目的としてパンフレット教材を作成し,教科指導法科目で活用する予定であることが紹介されました。同パンフレットは,前半では発達障害の特性,指導上の工夫を行うポイントを,後半では各教科(国語,社会,算数・数学,理科,保健体育)における学習上の困難さと指導例を掲載しています。真島准教授からは,小学校現場の社会科授業観察や授業者や通級指導担任との意見交換を通して得られた,学習支援のポイントについて具体例を紹介し,子どものつまずきを想定した授業づくりへの転換の重要性が紹介されました。

(企画課 教育企画室 教育企画係 中村彩乃)

高校生の為の受験生応援ページ

このページを印刷する