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理科教育講座 星博幸教授が2022年度「日本地質学会論文賞」を受賞

2022年09月08日

理科教育講座 星博幸教授が2022年度「日本地質学会論文賞」を受賞しました。日本地質学会は1893年(明治26年)創立の歴史ある学会で、約3,800人の会員からなる日本の地学分野を代表する学会です。 星教授は2020年度にも同賞を受賞しており、今回で2度目の受賞となります。今回は星教授を含め4人の著者が共同執筆した論文が受賞対象になりました。受賞対象論文と受賞理由は以下のとおりです。

表彰状表彰状

論文:Takashima, R., Hoshi, H., Wada, Y. and Shinjoe, H., 2021, Identification of the source caldera for the Middle Miocene ash-flow tuffs in the Kii Peninsula based on apatite trace-element composition. Island Arc, 30, e13039, doi:10.1111/iar.12404

受賞理由:紀伊半島に分布する中新世カルデラ群(大峰,大台,熊野北,熊野カルデラ)の火砕岩類は,鉱物組み合わせや全岩の主成分・微量成分化学組成が類似していることから,各カルデラの特徴を区別することが困難であった.著者らは,本論文でこれらのカルデラの火砕岩類に含まれるアパタイトの微量元素組成を明らかにし,各カルデラの火砕岩類の特徴を識別可能であることを示すとともに,噴出相である火砕流堆積物とカルデラ地下の火砕岩脈を対比することが可能であることを示した.また,紀伊半島中央部に広く分布する中新統室生火砕流堆積物と石仏凝灰岩のアパタイト微量元素組成も検討し,その組成が大台カルデラのものと一致することを明らかにした.アパタイトは埋没続成や溶結の影響をほとんど受けないため,本研究で示されたアパタイト微量元素組成に基づく方法は,従来の一般的なテフロクロノロジーの手法を適用することが困難な変質火砕物や先新第三紀火砕岩の層序対比に大きな進展をもたらすことが期待される.本論文は今後多くの研究に参照されると考えられ高く評価される.以上の理由から,本論文に日本地質学会論文賞を授与する.(日本地質学会サイト(外部サイト)より引用)

9月4日(日)~6日(火)に東京・早稲田大学早稲田キャンパスで同学会第129年学術大会が開催され、4日(日)に表彰式が行われました。出席した星教授に受賞の感想を伺いました。

星博幸教授星博幸教授

「この度、二度目となる日本地質学会論文賞を授かりました。今回の受賞論文は高嶋礼詩・東北大学教授、新正裕尚・東京経済大学教授、和田穣隆・奈良教育大学教授と共同執筆し2021年に国際誌Island Arcに掲載されたもので、私は主に紀伊半島の地質学研究を担当しました。今後も研究に邁進し、その成果を本学の学生教育およびプレゼンス向上につなげていきたいと思っております」

(広報課 広報・渉外係 飯濱美樹)

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